「……そろそろ、大垣へ戻ろうかと思うのですが」 明治五年の春が巡るころ、鉄之助は、主にそう切り出した。 日野にやって来てから、二年余りが過ぎ、新政府による旧幕軍の残党狩りも、そろそろおさまる気配をみせていた頃のことだった。 「まだ、危ないのでは…
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