2007-01-01から1年間の記事一覧

本年は誠にありがとうございました。

うおおおぉ、もう31日だ……! 本当は、バトン入れ替え編を今年中に、と思っていたのですが、もう日付が変わって大晦日で、しかも真っ白な設問が3つもある……! アウトですね(苦笑)。 えーとえーと、何とか早いうちにバトン+設問ねーだろ休日編(まァ、欄外…

篤姫!

と云うわけで、本日からはじめました、「篤姫」フェア! 私めの趣味で出来上がったフェアでございます。基本、文庫新書、ちょこっとムック(別冊歴史読本くらいですが)と云うラインナップで。 選書一覧は以下のとおり。今回は点数が多いので、書誌データ詳細…

北辺の星辰 22

新撰組を含む幕軍本隊が仙台入りしたのは、翌九月十六日のことだった。 島田魁、安富才助ら、主だったものが、歳三の宿を訪ねてきたのだ。 「副長……」 ここへ来るまでに、仙台藩の謝罪嘆願書の件を耳にしたものか、かれらはいずれも沈鬱な面持ちで、歳三の前…

小噺・剣術談義 其ノ弐

「土方さん、ちょっと訊きますけどね」 「何でェ」 「あんたよもや、甲府から箱館まで行く間に、市村君に剣術とか教えたりしなかったでしょうね?」 「(何だ、そのもの云いは)……とりあえず、きっちり稽古見てやったりしたこたァねェなァ。てェか、俺も忙しか…

めぐり逢いて 29

兄・辰之助は、ともかくもと、鉄之助と供のものを、家の中へと招じ入れた。 鉄之助にとっては、ほぼ六年ぶりとなる我が家である。 兄は、いつの間にやら娶ったらしき妻女に、茶を入れさせてくれた。美しい女ではないが、あたたかみのある面ざしの、ふっくら…

北辺の星辰 21

九月十五日、大鳥圭介が仙台に到着した。 聞けば、幕軍は、会津籠城戦の折、鶴ヶ城内へ入ることを許されず、仕方なく、会津領の外へと転戦することになったのだと云う。 今、大鳥のみが早駕籠で仙台に入ってきたのは、幕府海軍を率いる榎本と図って、今後の…

小噺・衆道談義 其ノ弐

「土方さん」 「何でェ」 「前に、俺の枕元にいたってェ隊士、いたじゃねェですかい」 「あァ、何か云ってやがったあれか」 「そうでさァ。あれ、やっぱり“そっち”だったらしいですぜ」 「そっちってなァ、衆道ってェことか」 「えェ。俺のことを、そういう…

あの子と同居バトン

と云うわけで、バトンです。 何でバトンでこのカテゴリよと思われる方はあるかと思いますが、仕方がないんだ、そういう形式で答えちゃったから。 折角だからと、沖田番の「指定キャラ→土方歳三」も一緒に掲載。 檄重(2つでtxt24kbくらい)なので、畳んでます…

めぐり逢いて 28

「……そろそろ、大垣へ戻ろうかと思うのですが」 明治五年の春が巡るころ、鉄之助は、主にそう切り出した。 日野にやって来てから、二年余りが過ぎ、新政府による旧幕軍の残党狩りも、そろそろおさまる気配をみせていた頃のことだった。 「まだ、危ないのでは…

修羅

「そうか、やったか」 その知らせを、歳三は、醒ヶ井木津屋橋の近藤の休息所の縁にて聞いた。 慶応三年十一月十八日の夜のこと。 夜も更けて、寒さはつのってきている。こうして縁に出ていると、吐き出す息すら凍りつくようだ。 つい半時ばかり前にここを去…

連絡事項。

えーと、まだ本館の更新履歴には反映させてませんが、鉄ちゃんの話・改訂版を、二話目まで、本館HistoryにUPしました。 かなり内容を変えてる(出だしが慶応三年春になってるしね)ので、このブログにUPされてる『めぐり逢いて』の話数とは一致しておりません…

偶には妄想。

で。 下の項で云ってた、バンドネタの話。 云っとくけど、書かないからな! えーと、鬼とかっちゃんと総司、それに一ちゃん(以下、順にToshizo、Isami、So-ji、Hajime)は、ヴィジュアル系のバンドをやってます。名前はShinsen-gumi(ははははは)。 一応メジャ…

日野・「新撰組を語る会」行

と云うわけで、行ってきてしまいましたよ、「第一回新撰組を語る会」! 今回のメンバーは、私と沖田番、山南役(“山南役”なのに、何故か鬼好き)、そして売場のI嬢の四名で。 私と沖田番は、私の通勤利用駅で待ち合わせ後、モノレールで高幡不動へ向かったの…

北辺の星辰 20

「何だ、相馬、野村も――着いてたのか」 歳三は、ほっと息をついて、微笑みをふたりに向けた。 流山で、江戸で別れてこの方、このふたりの消息はまったく聞こえてはこなかったので、正直、近藤とともに処断されたか、あるいは放逐されて、そのまま故郷へ戻っ…

小噺・岡田以蔵の儀

「土方さん、俺ァ、心底がっかりしましたぜ」 「あァ? 何の話だよ」 「まさか、奴があんなんだとァ思いませんでしたぜ」 「だから、何がだよ」 「いえね、最近、源さんとこの傍うろうろしてる奴がいたんで、中に入れてやったんですけども」 「あァ」 「それ…

めぐり逢いて 27

そうして、鉄之助は日野本陣の客人となった。 とは云え、それは、虜囚にも似た日々のはじまりでもあったのだが。 官軍の、旧幕臣残党狩りが厳しいと云うことで、鉄之助は、日中はほとんどずっと、館の控えの間のひとつ――北向きの、一番奥の六畳間――で過ごし…

北辺の星辰 19

九月十二日、歳三は、榎本らに伴われて青葉山城に登城し、藩執政の大條孫三郎や遠藤文七郎、藩主・伊達慶邦らに面会した。 歳三としては、奥州同盟の行末を見定める絶好の機会と思っていたのだが――仙台藩は、どうやら恭順の方向で藩論がまとまりつつあるよう…

小噺・銀魂!

「……土方さん、何読んでやがるんで……ってェ、あァ、例のアレですかい」 「ん? あァ、昨日、新刊が出てたからなァ、やっと終わったぜ、真選組動乱編」 「伊東参謀が出てたんでしたっけ。ってェ、あァ、俺らの知ってる伊東さんとァ、かなりいろいろ違ったおひ…

資料のこと・三訂。

またまた資料が増えたので、この辺でまた一覧など。こ、今度こそ、これで買い収め、にしたいなぁ…… タイトル、著者名、出版社名、ISBN(面倒なので、殆どは10桁の方)の順で。 「新選組始末記」 (子母澤寛 中公文庫 し 15-10) 4122027586 「新選組遺聞」 (子母…

めぐり逢いて 26

湯を使い、髭をあたり、髪を整え、新しい衣――主の子息のものだと聞いた――に袖を通す。久方ぶりに、こざっぱりとした装いになった。 食事を摂って、ようやく人心地ついたところで、鉄之助は主に呼ばれた。 茶の間の隣りの仏間に通されると、主と、その妻女が…

北辺の星辰 18

九月朔日、歳三は仙台に到着、その足で、東名浜に碇泊している開陽に、榎本釜次郎を訪ねた。 船室に通された歳三の前に、ややあって、榎本たちが姿を現した。 「やぁやぁ、お久しぶりです、土方さん」 云われて立ち上がった歳三は、榎本の傍に、見知らぬ男が…

小噺・箱館新政府

「……土方さん」 「何でェ」 「あんた、箱館じゃあ、結構大変だったんですってねェ(しみじみ)」 「……どうした総司、何か悪いものでも喰ったか?(真顔)」 「……何でそうなるんですよ」 「いや、おめェがそんなこと云うなァ、具合が悪ィか、何か企んでるときかく…

めぐり逢いて 25

港々で足止めされて、横濱に着いたのは、六月に入ってからのことだった。 「私が助けてやれるのは、ここまでだ」 船を下りる時、見送ってくれた松木が云った。 「この先は、君が独りで往かねばならない。――官軍の幕軍残党狩りは、まだ続いていると聞く。気を…

北辺の星辰 17

歳三は、翌二十二日、若松城北の滝沢本陣まで馬を駆った。 こちらも、母成峠の敗走のあおりで混乱を極めており、庄内行の話を誰に持ってゆけばよいかもわからぬような有様だった。 ともかくも、誰か話のできるものをと思っても、大鳥も行方不明、会津の諸将…

袖擦りあうも

土方歳三が、馴染みの蕎麦屋の戸を開けると、 「――おいでやす」 と云って頭を下げた小女が、困惑気味に奥を見た。 「取りこみ中か」 奥からは、男たちの諍うような声が聞こえてくる。 「へぇ、それが」 言葉を濁す女を押しのけるように、店の主が駆け寄って…

めぐり逢いて 24

箱館を出ても、横濱は中々遠かった。 四月十五日に出航ののち、船はまず、青森に到着した。 このアルビオン号と云う船は、そもそも薩長軍に雇われて、箱館に駐留する外国人を安全な場所に移送するのが目的だったのだが、もちろん査察が入らないわけではなく…

小噺・安眠妨害

「うおぉ、寒ィ寒ィ! おい総司、ちっと詰めやがれ(布団を持ち上げ、滑りこむ)」 「うおわ!? 冷てェ、冷てェですよ足ィ!」 「俺だって冷てェんだ、我慢しろ(もそもそ)」 「あんたが入ってこなきゃあ、俺ァ冷たくならなかったんですがね?」 「おめェだって…

試衛館と云う“家”。

うーんと、最近になって気がついたんですけども―― もしかして、かっちゃんは、幕臣になろうが何だろうが、“新撰組”≒“試衛館”とか思ってたのか? だから、結構やりたい放題(隊の金で女囲ったりとか、あんな時分にかっしー引き入れたりとか)できたんだろうか。…

北辺の星辰 16

母成峠からの敗走は散々だった。 整然と速やかに、などは、望むべくもなかった。三々五々、取るものもとりあえず逃げ出すのがやっとのことで、砲弾を避けながらの敗走に、山中を彷徨うものも多かったと云う話を、後になって聞いた。 歳三は、何とか本道を見…

箱館戦争紀行 その4

お蝦夷・箱館、追っかけ紀行、最終日。 暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ〜。