2011-01-01から1年間の記事一覧
「おにいさん、おひま?」 声をかけてきたのは、派手々々しい色合いの安っぽいドレスを身にまとった、見るからに娼婦とわかる女だった。 レオナルドが、イル・モーロの晩餐会に呼ばれていってしまい、暇をもてあましたサライは、ミラノの街中へふらふらと出…
ってわけで、予告どおりお経の話。 っても、もちろん私、哲学科とか仏教系大学とか行ったわけじゃあございませんので、いろいろ読んでの感想的なアレコレです。専門の人から見たらちゃんちゃらおかしいかも知れないけど、まァそこはそれってことで。 で、理…
最澄は、密教を、叡山にいながらにして学ぼうとしていた。 となれば、むろんその方法は、空海の求める面授――師と対面して直接に教えを受ける――ではなく、書物による筆授である。 幸い、大日経は手許にあるし、金剛頂系の重要な経典である『理趣経』――正式に…
南軍の部隊が天狗岳を急襲したと云う知らせがあった時、歳三は、台場山で胸壁の点検をしているところだった。 むろん、既に遠く銃声の響くのは聞こえていたが、本格的な交戦に入ったと聞くのは、いよいよだと云う気分にさせられる。 「敵襲か!」 叫んで、大…
ってわけで、高野山とか東寺とか、最終日。 お暇と興味がおありの方は、下からどうぞ〜。
ってわけで、高野山とか、二日目。 お暇と興味がおありの方は、下からどうぞ〜。
ちょっとタイトル変ですね…… ってわけで、またしてもお山+東寺…… お暇と興味がおありの方は、下からどうぞ〜。
短い声を上げて、父は石の床に倒れ伏した。 敷き詰められた石の上に、鮮やかな赫が広がってゆく。 「……カ、カッサパ……おまえ……!」 驚愕に見開かれた父の眼が、こちらを睨みつけてくる――刺したのは、従兄の剣であると云うのに。 「おま、おまえが……ッ」 そう…
シーギリヤっつーかカッサパ王関連の覚書的な。 完全俺得企画ですが、宜しければどうぞ。 † † † † † えーと、とりあえず手に入れました、『小王統史』=邦訳スラヴァンサ。あ、必要な分だけ国会図書館でコピーですよ、もちろん。何と、『南伝大蔵経』と云う…
※男×男の描写がございます。閲覧は自己責任にてお願い致します……
※ぬるいですが男×男描写がございます。最澄がお好きな方及び天台宗の方は、お読みになられない方が宜しいかと思われます…… 叡山へ戻って一息ついた十一月五日、最澄は、泰範へと文を出した。 「比叡山の老僧・最澄、敬って白す。 受法灌頂すべき事 右、最澄…
台場山は、市渡から二里ほど行ったところにある、小高い山だった。“山”と云うよりも“岡”と云った方がしっくりとするくらいの、ただこんもりとした小山である。 幕軍の前哨地である天狗岳はここからさらに半里、中山峠はさらに半里ほど行った先にある。道は、…
カテリーナが死んだ。レオナルド四十三歳の夏のことだった。 昨年から体調を崩して病院に入っていたのだが、その甲斐もなくの死であった。 レオナルドは、病院から母の亡骸を引き取って教会に運び、司祭四人と助祭四人に頼んでミサをあげてもらい、ミラノの…
ってわけで、行ってきました、国立博物館。 「空海と密教美術」展ですよ! 早売りのペアチケット2組買ったもん! うち3枚は、自分で使うのですよ、ふふ…… えー、前日が呑み会(ベテラン組の黒い女子会……)だったので、沖田番との待ち合わせは1時。 が、少々…
※最澄がお好きな方、天台宗の方は、閲覧をお止めになった方が宜しいかと思われます…… 泰範が叡山を下りて、近江高島郷の自坊に引きこもってしまったのは、弘仁二年の夏のことだった。 取り残された最澄は、わけがわからなかった。 最澄が唐土より帰還して六…
四月九日、歳三は、先行していた伝習隊や衝鋒隊などを追って、二股口へと出発した。添役として、安富才助や大島寅雄などを伴っての出陣であった。 歳三の守備するべき二股口は、敵の上陸予想地である乙部からは、もっとも短い距離で箱館に進むことのできる経…
――何でもう酒盛りやってんだよ…… 葡萄酒で満たした水差しを運びながら、サライは深く溜息をついた。 例のフラ・ルカ・パチョーリがやってきたのは、まだ朝のうちであったはずだ。レオナルドは、ようやっとそのころに起き出して、朝食も摂らずに応対していた…
書評って云うか、ここ暫くで読んだ本の感想とか。ま、小説メインですけどね(漫画の乏しい時代区分だからね……)。 ちょこちょこ書いてたのの取りまとめっぽいカンジになりますが。 『空海の風景』 上・下 (司馬遼太郎 中公文庫) まァ、阿闍梨の話ってったら、…
泰範のことである。 弘仁三年十二月の胎蔵界灌頂ののち、高雄山寺に居ついて、かれこれ三年ほどが経っていた。 その間、泰範は空海について、東大寺の法会に参列したり、あるいは空海の求める山間の幽地を求めて、吉野から熊野までを踏破したりしていた。 「…
「――市村君を、お出しになったそうですね」 自室へ戻った歳三をそのような言葉で迎えたのは、どこか苦さを含んだ表情の島田魁だった。 「……早耳だな」 歳三が苦笑すると、 「よもや、市村君がおとなしく出されるままになるとは思いもしませんでしたよ」 「ま…
とある朝方のことだった。 サライが、一階の戸を開け――よくあるように、住居の一階を工房として使っている、と云うわけではもちろんないのだが――風をとおして掃除をしていると、 「……マエストロはおられるか」 灰色の衣をまとい、頭巾を目深に被った初老の男…
何かこう、もやっと、もやっとしたので、ちょっと戯言。 愚痴みたいなものなので、アレなら読まずにするっとスルーでお願い致したく。 † † † † † えーと、坊主萌え(←実はそうだったっぽい)を満たすべく、ただ今当店ひっそり開催中の坊主コミックフェアで『坊…
※男×男の性的描写シーンが出てきます。閲覧の際は、自己責任でお願い致します。
ってわけで、高野山最終日。 お暇と興味がおありの方は、続きをどうぞ〜。
ってわけで、高野山二日目。 お暇と興味がおありの方は、続きをどうぞ〜。
ってわけで、行ってきました高野山。 お暇と興味がおありの方は、続きをどうぞ〜。
「――また、借経を、との書状ではないか」 最澄からの書状を開き、空海はつよく眉根を寄せた。 「しかも、前にお貸しした大日経供養儀や悉曇釈なども、まだ書写が終わらぬと云うておられたに……」 書写が終わらぬ故に、返却を待って戴きたい、と云う書状を、も…
四月八日、松木との約束の日になった。 歳三は、頃合いを見計らって、五稜郭の己の部屋へ、市村を呼んだ。 ややあって、歳三が短い手紙をしたためていると、 「――市村です。お呼びと伺って参りました」 「あァ、入れ」 入室して来た市村は、小さな荷物を抱え…
「それでは、はじめさせて戴きましょうか」 そう云うと、フラ・バルトロメオはやや顰め面で頷いた。 「あまりおかしな格好をさせてくれるなよ。こちらも歳なのだ、あまり後に響くようなことは困る」 「もちろんです」 と云いながら、レオナルドは、椅子にサ…
……画像は勝さん、っつーかりんたろたんです。職場のIさんが書いてくれました♥ うふん。 てのひらサイズと云うか身長10cmくらい希望。勝仲間Mさんと「チワワとかけしかけたいよね〜♥」とか、外道なことを嬉々として語ってましたよ、ふふ。 きっとりんたろた…