2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

神さまの左手 12

ともかくも、馬をどうにかせねばならぬ。 レオナルドの頭を悩ませていたのは、まったくこの一点に尽きた。 と云うよりも、馬がはかどらないので、それから逃避しようにかかっていた、と云ってもいいだろう。 騎馬像のバランスが問題なのだが、何をどう考えて…

北辺の星辰 35

十一月一日、歳三率いる松前攻略軍は、知内に宿陣した。 先鋒、本隊合わせて八百を超える大軍である、小さな集落は、幕軍の兵士で溢れかえった。 ともかくも、無事に宿営することができるとわかって、歳三は、正直胸をなで下ろしていた。この行軍中も、雪は…

小噺・狐談義

「……なァ、総司」 「何ですかい、土方さん」 「いっつも思うんだがよ、俺ァ狐キツネってェ云われるじゃねェか」 「えェ、まァそうですねェ」 「でもな、思うんだけどよ、俺と山南さんじゃあ、そんなに腹黒さァ変わんねェよな?」 「南さんァ、黒かァねェです…