2009-01-01から1年間の記事一覧

螺旋の定めを越えて

「……兄貴、何だよあの写真。――は? 見合い? ……だーから、俺は、自分で見つけるって云ったろ? ……だから会わねェって!」 云い立ててみたが、電話の向こうの兄からは、「よく考えろ」の言葉があっただけで、そのまま一方的に通話が切られた。 「兄貴! おい…

宇都宮戦争散歩。

と云うわけで、行ってきました、宇都宮。 ホントは一泊二日なのですが、仕事上がり後にスタートなので、散歩枠で。 † † † † † 7日の月曜日、仕事上がり後17:30に、JR新宿駅・新南口で待ち合わせ。 駅すぱでは、東北新幹線使えとか出てくるのですが、在来…

北辺の星辰 48

その日、弁天台場での練兵を終えた歳三は、そこからまっすぐに坂を上がり、高龍寺に足を向けた。 ここには、箱館病院の分院が設けられており、傷病兵が収容されている。 歳三は、この病院に、小姓の玉置良蔵を見舞いにやってきたのだった。 玉置は、仙台あた…

明治維新と『坂の上の雲』

『坂の上の雲』初回を見ました。すごく金のかかったドラマですねー。 っつーか、ハイビジョンでがつがつやるのかと思ってたら、フィルム撮影みたいな雰囲気の仕上がりになってたりして、拘ってるなーと思ったり。 セットとかもホントに気合入ってるし、CG…

小噺・薩摩連中

「おう、総司、先刻表の方で、えれェ騒ぎんなってたみてェだが――あれァ一体、誰が何をどうしたんだ?」 「あァ……あれァ、面会待ちの薩摩の国父殿と、西郷どどんが大喧嘩はじめやがったんで、あの騒ぎだったんでさァ」 「あァ? 何だって、島津久光殿と、西郷…

映像とかゲームとか。

偶には、こう云うのもちょろっとレヴュー的に書いてみるか、とか。 や、有名どころはあんまり持ってないんですけどね。っつーか、そもそも数がないし。 ってわけで、今回は大してアレだし、畳んでみます〜。

箱館冬季行 その2

唐突に箱館。2日目って云うか、最終日。 お暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ。

箱館冬季行 その1

唐突に箱館。 お暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ。

神さまの左手 24

ともかくも、レオナルドは“馬”に取りかかりはじめた。 レオナルドの目指す騎馬像は、未だかつてないほど巨大で、誰も見たことのないほど躍動感にあふれた姿――ゆったり歩む姿などではない、今にも動き出しそうな馬の姿を作り出すことが、究極の野望だった。 …

北辺の星辰 47

二月に入ると、歳三は若干の閑を得るようになった。 まず、酒井孫八郎が、ようやく主・松平定敬との面談にこぎ着け、歳三から離れたこと、また、海の向こうの薩長の動きも特にはなく、陸軍奉行並としての仕事もなかったこと、などが主だった理由であった。 …

小噺・衣装四方山

「おう、総司。どうでェ、この服ァ」 「……何ですよ、土方さん、その奇天烈な格好ァ?」 「失礼なこと云うねィ! これァ、今度の評議会用の正装だ!」 「……って云うか……それァ、例の『薄桜鬼』とやらのパクリじゃあねェですかい。あんた本当、“こすぷれ”好き…

箱館奉行所について。

えーと、とある方から「あれって?」と訊かれたので、ちょこっと書いてみる。 鬼の北海行内“箱館奉行所”について。 一般的に“箱館奉行所”って云うと、縮小再建された五稜郭内のアレを指すわけですが。 私の話の中に限っては、箱館市街の中のどこか(公会堂の…

神さまの左手 23

コルテ・ヴェッキアへ、小走りで行く。 ドゥオモのすこし先にある古い宮殿は、一部を当代のミラノ公であるジャン・ガレアッツォが住まいとしていたのだが、残りの部分は、イル・モーロの抱える画家や建築家に、工房として与えられていた。 円柱の立ち並ぶ回…

北辺の星辰 46

「で、落馬してそのざまか!」 案の定、投げかけられたのは、遠慮も何もない笑い声だった。 千代ヶ岱陣屋の一室に通された歳三は、火鉢に張りつきながら、 「面目ないことです」 と頭を掻いた。 馬を引いて千代ヶ岱陣屋の門をくぐると、守衛の兵たちは驚いた…

小噺・林忠崇の儀

「おう、総司」 「何ですよ、土方さん」 「今さっきここを通ってった、あの変なおっさんァ、どこのどいつだよ?」 「変なおっさん、って、俺に云わせりゃあ、どいつもこいつも“変なおっさん”ですけどねェ?」 「いや、だから、今いたろう、半袖短パンに雪駄…

神さまの左手 22

レオナルドに元気がない。 コルテ・ヴェッキアからなかなか帰ってこようとしないし、帰ってきても、またすぐに出て行ってしまう――まるで、家に留まっていたくないのだとでも云うかのように。 つい先日までは、母親が来るのだと云って、浮き浮きと、珍しく部…

北辺の星辰 45

歳三はその日、早めに仕事を切り上げると、そそくさと箱館奉行所を後にした。 この間の酒井孫八郎の訪問から五日が経ち、そろそろ強襲をかけられそうな気がしたからだ。酒井の熱心なことはよくわかったが、正直、事態の進展もみられないのに頻繁に訪ねてこら…

小噺・斎藤一の儀 其ノ三

「いやァ、参りましたぜ、土方さん」 「あ? どうした」 「いえね、今ちょっと一ちゃんが茶目っ気出しまして」 「……おう(厭な予感)」 「まァ、いつもみてェに厠から出てきた人の後ろに立ったわけですよ」 「……あァ(ますます厭な予感)」 「でねェ、まァあんた…

神さまの左手 21

彼女がやってきたのは、夏の盛りの七月十六日のことだった。 その日、レオナルドは、例の馬の彫像のために、コルテ・ヴェッキア宮殿の工房に出向いていたのだが、来訪者があると云う使いのものの知らせで、慌ててスフォルツェコとドゥオモの間にある、自身の…

北辺の星辰 44

酒井孫八郎は、本当に諦めなかった。 年が明けて、まだ松の内の一月六日には、もう歳三を訪ねて来て、またくどくどと松平定敬の処遇について云ってきたのだ。 しかも、聞けば日中には、五稜郭へ榎本を訪ねたのだと云う。 その時は、歳三は箱館奉行所へ出向い…

小噺・森彌一左衛門の儀

「ねェ、土方さん、ちょっと訊きてェんですけども」 「あ?」 「桑名の森さんっているでしょう、あの、こう細面ですぅっとした感じの、ちょっと阿部さんに似た雰囲気の」 「あァ? それァもしや、森彌一左衛門さんのことか?」 「そうそう。箱館で、新撰組の…

神さまの左手 20

※若干性的に直截な表現がございます(ぬるいので畳みませんが)。閲覧の際は、自己責任でお願い致します。 レオナルドはそう好色な質ではないのだが、こればっかりは勘弁してほしい、とサライは思う。 何をと云えば、その最中に、急に思い立ってデッサン帳を取…

北辺の星辰 43

箱館府の体裁も無事整った。 明けてからは、いよいよ本格的な蝦夷地支配に乗り出そうかと云う、この年の瀬に、本土より、桑名家中のものがやってきた。 「我が主、松平越中守の進退について、幕軍の方々にご相談いたしたき儀がございます」 桑名の家老である…

小噺・小村壽太郎の儀

「ねェ、土方さん」 「何でェ、総司」 「例の、診療所にいるネズミのことなんですけども」 「鼠? そんなもんがいやがるのかよ。患者が破傷風とかに罹っちゃあ拙い、駆除を頼まねェと……」 「違いますって、例の“ネズミ公使”殿ですよ」 「あァ、小村壽太郎さ…

神さまの左手 19

その集落は、玩具のような家々が身を寄せ合うように建っている、ごく小さな村だった。 その集落の端にある、石工の家の戸を叩く。 「……誰だ」 ぶっきらぼうな声があって、扉の奥から、髭面の男が顔を覗かせた。 「マエストロ、私です、ミラノのレオナルドで…

北辺の星辰 42

祝賀会から数日のうちに、幕軍は“箱館政府”の体裁を整えるために、幹部選出の為の入れ札を行った。 ――どうせ、かたちだけのものなんだろ。 入れ札に参加できるのは、陸海両軍の士官以上、と云うことであったが、そうであれば、誰がこの“箱館政府”の総裁に選…

「風を継ぐ者」観劇記。

金出して見にいく気はまったくなかったのですが、チケットが手に入ったので、いってきました、演劇集団キャラメルボックス「風を継ぐ者」再々演。 いつもどおりネタばれあります&激烈な毒吐いてます、ので(しかし畳まない)ご注意下さい〜。 † † † † † と云…

幕末・会津戦争行 その3

会津戦争追っかけ隊、最終日。 お暇と心の余裕がおありの方は、下からどうぞ〜。

幕末・会津戦争行 その2

会津戦争追っかけ隊! (←……) お暇と心の余裕がおありの方は、下からどうぞ〜。

幕末・会津戦争行 その1

思い立ったら会津行き。 お暇と心の余裕がおありの方は、下からどうぞ〜。