2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

同居バトン 休日編 4

川崎街道をすこし南へ、そこから用水沿いの脇道に入り、てくてくと歩く。ちょうど逆方向へ歩けば、佐藤彦五郎の子孫の住む家だが、鬼が寄りたくない風であるから、口にはしない。 甲州街道沿いはかなり様変わりしているが、この用水付近は、何となく昔の風情…

同居バトン 休日編 3

受付でひとり¥200-払って、建物の中に入る。 平日の昼間、天気も曇りがちとあって、訪れているのは自分たち4人のみだ。それはそれで、邪魔もなしに見ることができて良いのだが。 「今、ガイドさんが休憩中なの。ごめんなさいね」 受付の女性にそう云われ、…

同居バトン 休日編 2

モノレールは、浜松町‐羽田間のそれとは違うスピードで、南へと走っていく。 それにつれて、窓の外の景色も移り変わる――新興住宅地や何かの工場、高速道路、繁華街のビルの群れ。 東京もかなり西の外れとなれば、ちょっとした地方都市くらいの賑やかさの街並…

狐面を買いに。

……いや、そもそものお出かけの主旨が、私の誕生祝い(夏目漱石の、新暦換算の誕生日と一緒)の狐面を買いに行く、というものだったので。 えぇと、いつもの通勤利用駅で、沖田番と待ち合わせ、小金井公園内の江戸東京たてもの園へ。そこのショップに狐面がある…

同居バトン 休日編

待ち合わせ時間は、バスを降りた段階でとっくに過ぎていた。 「うおぉぉ、やべェ!」 などと女にあるまじき科白を叫びながら駆けだすと、 「駅ってなァ遠いのか?」 と、隣りを走る男が云う。 「ちょい! もうちょい!」 バスの車中から、すこし遅れると云う…

雪花

寒いと思っていたら、案の定だった。 灰色に曇った空から舞い落ちてくる、白い花。あるいは羽毛のような、雪の花だ。 ――天気予報は、最近は外れねェんだな。 苦笑とともに思いながら、懐中時計をポケットから引きずり出し、時刻表と交互に見る。次のバスは、…

小噺・伊庭八郎の儀

「……土方さん」 「何でェ」 「こないだ、源さんとこに、片腕のひとが来てましたぜ」 「片腕? (二の腕あたりで指を引いて)このへんからねェってのか?」 「や、手首から先なんですけどね」 「……よもやたァ思うが――伊庭の野郎か?」 「ええ、“隻腕の美剣士”さ…

同居バトン 番外編。

えーと、許可が出たので、同居バトン・山南役。山南さんが相手です。 すごいよ! 重いので畳んでます〜。