2008-04-17から1日間の記事一覧

北辺の星辰 25

歳三の許を訪れたのは、桑名藩士・森常吉と云う男だった。 森は、京都所司代で公用人を務めた人物で、年齢も歳三よりはかなり上――おそらく十ほどは上――であろうと思われたが、その立場などなかったような腰の低さで、頭を垂れてきた。 「お久しゅうございま…