九月も半ばになったころ、サライが唐突に云った。 「もうじき収穫祭だけど、あんたも出るよな?」 「収穫祭?」 「うん、葡萄のな」 そう云えば、この間から空気が甘い匂いに満ちているなと、ミケランジェロは改めて思った。 熟れた果実の甘さと、葡萄特有の…
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