高尾山散歩。

と云うわけで、高尾山。
や、この辺(多摩北部とか)って、子どものころに高尾山に遠足にいったりすると云うことだったのですが、私は親が転勤族だったり何だりで、そのころには東京近辺にはいなかったのでね……


11:00に待ち合わせだったのですが、案の定(てへ)私が遅れて、結局11:30にスタート。
駅すぱではどうやってもJRに乗れと出るので、仰せに従って国分寺→高尾→高尾山口へ。
12:30くらいに高尾山口駅に着。寒い――そう云えば、昨日は朝から雪が降ったんでした。まさかと思うが、雪が積もってたりするんだろうか……?
とか云いながら、リフト乗り場へ。や、沖田番が好きなのですよ、リフト。
職場の総務担当Kさんが、「あのリフトは怖い」と云ってましたが、うん、行きで既に何となくわかりました。これ結構急だよ! って云うか、その急なリフトで、ベルトなしだよ! しかも、防護ネットまでそれなりの高さがあるよ! でもって、ネットの幅が狭い!


「こいつァ、帰りに乗ると、天狗になったみてェな気分になれるんですぜ」


と、沖田番は云いますが――わかるよ、わかるけどさ! 行きだけでも充分にわかるけど――帰りもこれに乗るのか……往復券買っちゃったよ……


ともかくも上に到着。
……えーと、結構寒い、っつーか、雪残ってるぞ……昨日の融けてないのか……
ともかくGO! と歩き出したはいいが、枝から融けた雪が……雨みたいに降ってくる! ある意味大歓迎? (←や、旅先で雨だと歓迎されてるって云うじゃないですか――旅先ってほどでもありませんが)
しかし、何となく帽子を被っていっていた私は良かったのですが、沖田番が……何故か帽子も、何時も持ってる折り畳み傘もなく。雨っつーか雪的なものまみれになっておりました(そして案の定、後日風邪をひくわけだ)。
で、雨のように水滴の落ちる中を、本堂へ向かってGO。


えーと、高尾山薬王院有喜寺(←正式名称はこう云うらしい)は、真言宗智山派大本山だそうです。智山派って、新義真言宗、つまりは覚鎫(字、出ますかね……)さんのラインの宗派ですね。つまりは密教+浄土思想と云う……難しく云うと、大日如来が金剛薩埵(字……)に説法をしたのが、法身なのか加持法身なのか、と云う違いらしいのですが、そもそも“加持法身”って何なのかがわからんのですが……
ともかくも、高野山とか東寺系(この辺を、古義真言宗と云うそうな)とは若干考え方が違うらしいです。
まァまァ、↑こういうのは、私のように空海に興味を持ってる人間にしか関係ない話ですね。
普通の人的には、高尾山と云えば天狗! と蕎麦でしょう。
そもそもこの高尾山は、役行者が開いた山と云う伝承があるそうで(しかし、役行者が流されたのは伊豆の地なので、ここまできたのかどうか……)、天狗ってのも、山岳修行者のことをそう云うカンジに云った可能性はなくはないのですが……
しかし、山岳修行のためのお山、と云っても、高尾山って520m程度の低い山なんですけどね――まァ、空海の修行した大瀧山と云われる山も500m程度の高さだったし、こないだ登った宮島の弥山も、標高は530m程度だったので、昔の山岳修行だとそんなもんかな――生活できる高さじゃないと厳しいですしね。


とは云え、そこは現代の山ですので、もちろん道路は整備されております。がんがん車も走ります。
途中、階段と車道に分かれるところで、敢えて階段をチョイス。だって、絶対車道って単調だけど、人の歩く道は古くからある道のはずなので、それを見て歩こうと云う。
うん、あちこちに小さな祠があったり、御神木っぽい大木があったり。
あと、道のそこここに、奉納された護法童子像が立ってて、何となく笑えました――いや、お稲荷さんの鳥居みたいなカンジなんだろうなァ、ってのがね。
沖田番、頭の上にタオルを載せて歩きます。
でもって、本堂についた、が、雪のためお参りは迂回して入らにゃならんらしい。ぐるっとまわって本堂方面へ、行く途中にお大師様を祀ったお堂が――っつーか、何で真言宗は必ず修行大師像が立てられてるんでしょうか。恥かしいじゃん、って云うと思うよ空海
っつーか、新義派でもやっぱ“お大師様”なのね、って当然か、一応祖師なわけだしな。


えー、本堂(左右に巨大な天狗のお面が)にお参り、の後、山頂へ行こうと云う沖田番に連れられて、奥の院→山頂へ。
しかし、途中で泣いてた幼稚園児の集団に出くわしたのですが――あれ、山頂まで行ったのだとしたら、確かに子ども泣くわ。
や、すごい道でした。
途中途中でお寺の人(多分)が雪かきをして下さっているのですが、もうとてもそんなもんじゃ、ってカンジの路面状態。雪は残ってるわ、その雪が融けだして泥濘になってるわ、泥の色した水溜りだらけだわ。
沖田番の靴は、箱館にも履いてった防水加工のされたアウトドア用だったのですが、隙間から水が入って大変なことに。
私の靴は、もとより防水加工なんかされてないので、水なんか滲み放題です。
滑ったり滑ったりしながら、何とか山頂へ。
しかし、寒い! 上に空腹(この日の朝食は、6枚切りのパン半分のみ……)なのですが、山頂の店はみんな閉まってる……! (←あたり前)
仕方なく、持っていってた桜海老のかるせんを食べて、山門前の蕎麦屋を目指して歩きます。


蕎麦屋もみじ屋で、やっと昼食。
お店の方のお勧めは天狗蕎麦と云うことで、そちらを戴く――海老天1本と山菜の乗った温かいお蕎麦ですが、山菜が! 新鮮と云うか、多分木耳だと思われる茸が、こんなでっかいの入ってる蕎麦って! おつゆは甘め、蕎麦は太めでしたが、うん、まァ美味しかったです。
しかし、窓際の席だったのですが、屋根から雪の落ちる音が凄かった! 窓の下を見ると、雪解けの水が滝のように流れ落ちていく……うむ、春の山だな。
温まってお店を後にし、リフト乗り場に向かいます。
帰りは車道の方を。木々の間から、普段は修行の人たちが走り回ってるだろう階段が見えましたが、今はそれも白くって、使われるのはまだちょっと先だろうなァと云う風情。
で、リフト下りですが――やっぱ怖いよ! っつーか、Kさんの云うとおりだ! 特に怖いのが、最後の傾斜――ここで落ちたら、下り場のところまでノンストップでころがることになりますよ!
沖田番は、


「ははははは! どうです、天狗になった気分でしょう!!!」


とか云いますが……
天狗いいから、ベルトくれ! と云う気分になりました。
うん、でもまた来たらこれに乗るんだろうなとは思います……まァ、何とかいけなくはなかった。うん。


でもって、途中でおやきと(沖田番が)岩魚を食べ、京王線に。
実は先日、石田寺に榧の木に会いに行こうと思ってたのですが、時間の都合で果たせなかったので、リベンジ。
高幡不動の駅で降り、まずは高幡不動尊金剛寺(←が正式名称)にお参り(ちなみに、ここも新義真言宗智山派でした)。
平日の午後遅くだったので、本堂の中も空いてて、上がりこんでお参りしてきました。
よく見ると、壁に五大明王の絵図がかかってるのですね。よく見えたのは大威徳明王だけでしたが……
でもって、京王ストアで沖田番の替え靴下etc.を買った後、いつものルートで石田寺へ。


榧の木は、いつもどおりでした。が、昨日の雪とかで、木肌が濡れてて、触ると冷たい……それでも、ちょっと触っていましたが。
沖田番が、木の下のベンチで靴下を履き替え、ちょっと人心地ついた様子。
で、木の下でまったりしてると、ありゃ、お寺の方が門を……もう5時か。
と云うわけで、駐車場の方から撤収。
その後、散歩がてらにJR日野駅まで。


いつも通ってるのは、彦五郎さんちの前まで抜けてる道なのですが、暮れてきて薄暗いので&いつもと逆方向なので、道がよくわからず。
適当に歩いてた(途中、梅の花が綺麗だったので、写メしたりとか)ら、結局いつものルートに乗ってました……
それで気がついたんですが、あの辺って、意外に小洒落た家が建ってますね。水路を渡って道に出るのがいいのか? 今どきのモダンな家がそこここに。ちょっと今風の数奇屋とかね。
そう云うのを見ながら、彦五郎さんちの前も抜け、まったりと駅前まで。
途中、立派なお寺が、と思ったら、なるほど、これが大昌寺なのですね。はァ、浄土宗かァ。やっぱいろいろ雰囲気違いますね。
時間も時間なので、(門は開いてましたが)お参りはせず。
そのまま駅に抜けて、中央線で中野まで。
中野の中華屋で晩御飯を食べて帰宅しました。
満喫した……


† † † † †


と、これを打ってる最中にも、余震で結構揺れてます。
東京湾岸にある職場は、本日(3/12)は休館になり(昨日、晴海で津波が1.3mだったそうなので、多分職場にもきてたはず)、私は自宅待機です。
昨日は休みだったので、都内の交通機関の混乱にも巻き込まれませんでした(新宿に出ていた母は、帰宅がAM0:00ごろに)が、本棚からちょっと本が落下したり、食器棚から皿が一枚飛び出したりしました――割れたり傷んだりはしませんでしたけどね。こう云う時、フローリングじゃない板張りってのは良かったです。
沖田番は出勤で(新宿の高層ビル)、仕事用のPCが流れたと申しておりました。日付が変わってから帰宅できたそうですが、本棚の本が全部床に落ちてたり、机が所定の位置から飛び出していたりと大変な惨状で泣きそうになってるようです。私の本で溢れかえってる部屋は、ほとんど落下とかしなかった(ベッドの上の画集の山も、何とか無事)のになー。詰め込めるだけ詰め込んだ本棚は、意外と安全らしいです――作りつけのものならば、ですがね。


土曜日だからかどうか、あたりは凄く静かです。買出しに行った両親が、お店が結構空いてた(土日のみの朝市なのですが)と申しておりました――そうだよな、まだ結構身体に感じる地震(震度2くらい?)があるもんな。それで昨夜は2回くらい目が醒めました。
ともかく、今後どこまで被害が広がるか(仙台店とか大丈夫かな……)わかりませんので、皆様お気をつけて行動なさって下さいませ。


この項、終了。
次こそルネサンスで。