京都幕末紀行 その1

……いや、“幕末”とつけるのも恥かしいくらい、駆足でゆく旅なのですが。


えーと、午前11時過ぎのひかりで、東京駅をスタート。今回は、家族4人での旅です。別住まいの弟は、品川駅から合流――っても、坐る席すら別車両なのですが。
食べたり飲んだり、サイト用に鉄ちゃんの話の焼き直し(ちょうど油小路のあたり……)を打ち込んだりしているうちに、2時前には京都着。
荷物を配達サービス(ツアーについてた)に託し、身軽になって、いざ宇治へ。


宇治までは、JR奈良線の普通で25分ほど。2:30には、私ども宇治に到着しておりました。
お茶屋の立ち並ぶ参道をてくてく歩いて、平等院へ。
入ってみてびっくりしたんですけども、平等院って、結構小さい! まァ平安時代の建築だし(そう云やァ、あれって道長の息子が建てたんだもんなァ)、技術力的にも権力的にも、そんなに大きなものは建てられるわきゃあないんですけれども。何かこう、10円玉の裏とかのイメージだと、もっと大きい感じなんですよ、ねェ!
鳳凰堂の中にも、もちろん(別料金で)入れるんですけれども、サンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ修道院宜しく、入場制限が! 1時間に50人ペースでの拝観なんだそうで。……時間が惜しい私ども、ここはスルーして、池をぐるっと回り(もちろん、写真は撮りました)、国宝なんかの展示してある鳳翔館へ。


鳳翔館には、梵鐘の本物(11cごろのもの、国宝)や、屋根の鳳凰の本物(国宝)、雲中供養菩薩(国宝)などが展示されています。
我々が行った時間は、ちょうどツアー客とがっちゃする時間帯だったらしく、館内は人でごった返していました。
人の波を縫うようにして拝観。とりあえず、鳳凰一対はすごい細工でした。
でもって、浄土院はスルーし、最勝院の写真(きれいな佇まいだったので)を撮って、平等院を出る。


で、ちょっとはお茶していこうと云うことで、駅近くの中村藤吉本店へ。
ここは、ガイドにもよく載ってる老舗(っても、安政六年創業だから、京都では新めなんですが)で、喫茶もやってるところです。店舗が古くて立派。
行ってみると、かなり並んでる――が、割と回転は良さそう。じっと待つ。
待ってる間、庭先を見ると、喫茶室の目の前に、立派な黒松が。上と左右とに枝が伸びてる。「この松一本で、何人口だろう」と、庭屋さんの計算をはじめる両親――いや、うちに松ないし。
そうこうしているうちに、名前を呼ばれる、が、
「テラスで宜しいですか?」――暖かくなってきたとは云え、まだまだ吹きっさらしのところでお茶するのはキツいですよ。
でも、時間がないので、そのままGO。……寒い。
ので、冷たいスウィーツではなく、ぬくいぜんざい(って、どうしても島田を思い出すなァ……)で。私ひとり、謎の白玉抹茶ミルクぜんざいを。どちらも京番茶付。
……えーと、とりあえず、京番茶は燻かった――煙のにおいっつーかかおりっつーかがすごくって、あんまり番茶って感じでもなかったです。いえ、確かに番茶ではあるんですが。個人的には、山本山の¥525-(税込)の焙じ茶が好きだなァ。


で、さっさと食べて(寒くてあんま長居したくなかった)電車に飛び乗り、私とおかんは、次なる目的地の寺町〜麸屋町へ。親父と弟は一旦ホテルへ。
寺町あたりへは、私の行きたいかざりもの屋(かざりや鐐)と、お茶の柳桜園、それに骨董屋巡りが目的なのです。
かざりや鐐では、お茶で一緒のYさんに銀の栞と、沖田番と自分用にストラップをGET。自分用、梅が良かったんだけど、品切れということで、仕方なく謎の花で。


その後、柳桜園でお茶をいろいろ買い、寺町に戻って(かざりや鐐は麩屋町)、骨董屋へ。お宝流行りで、結構高い。
と、一件の骨董屋のウィンドウに、かわいい軸が……! 旧正月の風物を描いたらしく、覆面の水干姿の男が、紅梅の枝に下げた札を売り歩いていると云う絵だったのですが。
これが可愛い! 季節感もOKだし、さしてお高くもない(江戸末期の画家らしいのですが)。
かなり悩んだのですが、即答できず、月曜は休みだというので、返答はまた明日。


でもって、その後は、麩屋町を再び上り、はふうと云う肉料理のお店(?)へ。
牛肉の刺身からスタートするコース料理を戴く――うまうま。
満腹になって、とりあえず麩屋町を下り、地下鉄の市役所前駅へ。
この途中通った京都の町並みは、結構暗かった――と云っても、幕末の京都よりは明るいし、いきなり暗闇から抜身振りかざした男に斬りかかられたりもしないので、全然安全ですが。
でもって、そのまま地下鉄(東西線)に乗って、二条城へ。
お宿は全日空ホテル。


この日はこれにて終了。
翌日に続きます〜。