日野新撰組まつり行。

何となく入れた有休がもぎ取れたので、行ってきました、日野新撰組まつり。つっても、今日だけなんですけども。昨日も休みだったので、流石に3連休はできねェよ……


五月の各資料館と云えば、刀の刀身の展示!
去年(……そう云や、去年は五月五日に行ったよな……)は和泉守兼定を見たので、今年はじゃあ(彦五郎さんちで)越前康継だ! とばかり、JR日野駅に降り立ったのですが。
まずもって、一緒に行こうとか云ってた山南役が現れない。まァ、朝8時くらいにメールが入らなきゃ、行けないものだと思ってくれって云われたしな。
雨だし、何げに結構まわる気満々だから、歩き慣れない山南役にはきつかろう。
と云うわけで、日野についてしばらく(9:30〜10:00)はまっくでお茶。でもって、10時過ぎたので、まずは日野本陣から。
小雨の降る中、ほてほてと日野本陣へ。中では、ガイドさんが幾人か出て、複数グループに説明中。しかし、流石に3回目なので、説明は聞かずに内部をぐるり。
で、まァ時間潰し的に資料集の販売見本を見ていたら。あれ、今回の歴史館の展示の図録(って云うか)だ。こないだあったっけ? ……おおっと、相馬の『贈友談話』の写真が! あ、書き下し(と云うか、活字起こし?)も載ってる! こ、これは買わなくては!
で、¥2,000-でGet。袋をパスして、鞄に突っ込む――でかい(A4)ので入りきらん。こう云う時に限って、うちの中ポリ(あねかんとかきゃんきゃむとか入れるサイズ)持ってないの、自分……


で、たらりと出て、早く開いてないかなー(11時開館なので)、と思いつつ、裏手の佐藤彦五郎資料館へ。
しかし、時間きっちり系なのか、まだ開いてない。ちぇ。
仕方がないので、川崎街道の坂をのぼって、新撰組のふるさと歴史館へ――行こうと思ったら、思いっきり迷う。逆走すると道が難しいんだよね、あの辺って。しばらくぐるぐるすると、ちょうど市民会館の裏に出る。
そう云えば、今日ってここで、舞台があるんだよね。12時からだし、ちょうどいいかな、と思い、市民会館内で、芝居のチケットを。
そうこうしている内に、11時過ぎ。時間が惜しい、まずは歴史館から――迷う。ちょこっとぐるぐるしていると、見憶えのある広い道が――ふと見ると、小さな標識。「←新撰組のふるさと歴史館」。この標識を探していたのよー!
日野本陣で共通券(本陣と歴史館、両方入れて¥300-)を買っていたので、そのまま入館。が、昼が早かった沖田番より着信。慌てて外へ出(ほとんど何にも見なかった……)て、時間もいいしと、彦五郎さんちへ。下り坂ー。


えぇと、彦五郎さんちは、もう結構人がいっぱいでした。
そこここに人溜りができていて、やや見辛いので、比較的空いている(そして本命の)越前康継の前へ。
ちょうどそのあたりに蘊蓄おじさんがおり、連れに説明しているのを聞きつつ、刀身を見る。ほほう、流石に綺麗だね。しかし、実際に使うとなると躊躇するなァ(←ってオイ)。
越前康継は、茎の部分に葵? の紋が彫ってあるので、おそらくは会津候あたりからの拝領品ではなかろうかと云う、↑の蘊蓄さんの言。まァ、そうかもね。
でもって、それに捲いてあった下げ緒(こちらは仙台公からの拝領品)が、何となく着物の帯締みたいだなァと思ってみたり。まァ、そう云うのを下げ緒にする奴もいるらしい(まァ、馴染みの女郎に貰ったりしてね)ので、あながち間違いでもないっぽい。
でもって、鬼とかっちゃんの写真をちらりと見(た時に、館長さんが出ていらしてた)、再び雨の中を、坂をのぼって市民会館へ。


着くと、ちょうど開演10分前。
ここのところ最前列で見ることが多かったので、向かって右手やや後ろの通路わきの席につく。舞台はまァまぁよく見える。
さて開演。
L.PRODUCTS公演「新撰組列伝 残心」――源さん没後140年(そう云やそうだ)で、主役は源さんらしい。
えーと、L.PRODUCTSって、女の子ばっかの劇団で、しかも劇団自体企画もの(普段は別々の劇団に所属してる、のかな?)っぽい。
……とりあえず、まァチケットのお値段も安いことだし(¥1,800-)、酷評はしないでおこう――源さんのイメージなんか、本人に似てた試しがないんだし(何でだろう)。
とりあえず、お話の軸がぶれまくってて、源さんホントに主役か、と云うカンジ。オリキャラ系が出張り過ぎてて、源さんの話じゃなくなってるなァと云うか。いっそ、かるく過去回想にして、源さんの、鳥羽・伏見戦しんがりを務める心意気をあれこれして終わらせた方がよかったかもね(私見)。
殺陣は、本当の武道系の指導が入ってるらしく、しっかりしてはいる。が、流石に女の子なので、剣撃にキレはない。腕の力が弱いからな、どうしてもな。
あと、下手に武道系入ってるせいで、余計に「そこに入れても斬れないから!」ってのが目立って困った。「その角度だとぶった斬れないよ!」とか。これは、私が最近、実戦剣術(まァ、人斬りみたいな?)の達人の剣ばっか見てるからかもしれないけども。
これはいっそ、チャンバラやダンスっぽい(こないだand endlessがやってたような)殺陣の方が良かったのかもね。
音響にもうすこしお金をかけてたら良かった(剣撃の音とかね)なァ。そしたら、殺陣ももうちょっとフォローが効いてたかも知れないなァ。
本当の意味で、高校の演劇部とかっぽい舞台でした――そんな感じ。
後で行った源さんの資料館で、「お芝居どうでした?」って訊かれて、マジで返答に困った……でも、酷評はしてないですよ、ええ。


で。
お芝居がはじまるあたりで、山南役から連絡が入り、JR日野駅で落ち合うことに。
3時近くに合流し、時間がないのでざくざく歩いて、まずは源さんの資料館へ――何か、大阪での首の埋葬場所が判明したとのことだったので。
場所は、淀小橋に近いところにあった(過去形)欣浄寺と云うお寺の前の田圃なのだそうで。今回、周辺を描いた絵図も公開されていました。現在地の地図もありました。
あ、あと、一緒に、初めて見る泰助の写真が! 60代の泰助(有名な肖像は70代)なのだそうですが、えェと――何か、すこし若いだけで、すごく“若人感”があるのは何故なのか。不思議不思議。
そうそう、大和守秀國の刀身もちゃんと見てきました。


次は彦五郎さんとこ。
私は午前中に入ったので、山南役のみ入館。康継と写真を(ささっと)見、急いで万願寺へ――兼定
雨だし時間もないのでタクシーを拾いたいが、こう云う時に限って、迎車か賃走しか通らない罠。
仕方なくモノレールでひと駅行き、ダッシュ土方歳三資料館へ。何とか滑り込みセーフ。
時間もないし、ささっと、と思っていたのですが、兼定堀川国広の他に、大業物の虎徹(乕撤とかそんな感じの、ちょっと変わった表記があった)も展示してありました――かっちゃんのアレではありません。
流石は大業物、刀身がしっかりとしてて、いかにも高そう(←え)。でも、やっぱ心おきなく使えるのは兼定だよなァと思いました。や、何だろう、打ちあいしてもOKかなー、みたいな。堀川国広は、その点やっぱり若干心許ない感じが致します。打ち合いにはちょっと強度が足りなさそうと云うか。
あと、彦五郎さんとこに泊ってたお役人から鬼が貰ったと云う(菓子を買う小銭をくれようとしたら、「その小柄をくれ」と云ったとか)、海老の頭の彫ってある小柄とかもガン見。
で、ふと見ると――か、勝さんの書が!!!!!♥♥♥
幕末三舟(他に山岡鐵舟、高橋泥舟)全員の軸があり、狂喜乱舞。っつーか勝さん!!! ……新撰組ファンの人たち的にはアレなのかも知れませんが、勝さんが口入してくれたから、鬼は蝦夷まで行けたんだぜ、と思うと、勝さんがいなけりゃ、鬼は「最後まで戦い抜いた男」とは云われなかったと思うんだけど、ファン心理は違うのかしら。まァいいけど。
刀三本と勝さんの書にうはうはしつつ、他に人もいたのでかなりまったりとして(結局閉館時間20分くらいオーバー……ははは/汗)、徒歩で高幡不動へ。


ちょこっと離れた身内に病人を抱える私ども、それぞれ護摩木を納めてお参り。
で、5時近くになったので、京王線で新宿へ出、仕事上がりの沖田番と合流。ちょこっとお茶して別れました。
とりあえず、無駄にあっち行きこっち行きしたので、流石に脛が筋肉痛になりましたよ……


† † † † †


この項、終了。


あ、そうそう、今朝積み上げてあった客注品を見て、面白そうだったので、野口武彦『幕末不戦派軍記』(講談社)をGET。割引なしで買おうとしてたら、文学書の売場の子に「……いいんですか?」と云われちゃった。でも、必要なカード、まだ作ってないんだもん(顔写真が必要)。
ざっと読みましたが、釜さんのぐだぐだっぷりが笑えました&中島三郎助さんの「目に澄み切った光」って……! 中島さんは皮肉屋さんなので、目は鋭いけど、澄んではいませんよ(笑)。
ちょっと、文庫の『幕末気分』(講談社)も読んでみたいなァと思いつつ、まァあんまり参考とかにはならない本だなァと。
あァッ、そう云えば、来月半藤一利の『それからの海舟』が文庫になっちゃう! (筑摩書房) ハードで持ってるのに……何か悔しいなァ……
江藤淳の『海舟余波』(文藝春秋)は両方買ったけど、半藤一利のはそれほどでもないもんなァ……


さてさて、次は(ニーズ弱くても)ルネサンス〜。