感想いろいろ。

っつーわけで、どうもまだルネサンス気分じゃないので、本の感想でも。
ちゃんと感想書いたの結構前なので、結構ありそげ。
ネタばれ極力なしですが、いつものとおり激烈な可能性大(俺様ですから)なので、気の向いた方のみどうぞ。


「歳三の首」(藤井邦夫 学習研究社)
タイトルに引っかかって買ったのですが、結構楽しめました。
TVドラマの脚本家から時代小説家になった人(シリーズも何本か持ってる)なので、その辺で安心して読めたのかも知れません。特に好きな文と云うわけではないけど、安定してて読みやすかった。
話自体は、ぱっつぁんが主人公で、蝦夷地に舞い戻って来た鉄ちゃんと一緒に、鬼の首を奪い合う(現品がないのに)と云うお話でしたが。古高さん(池田屋の時の)の弟とか何とか、いろいろ出てきて、読み応えはありましたです。鬼が××になってるというのは、まァねェ……


「総司 炎のごとく」(秋山香乃 文春文庫)
この人の話にしては、文章を気にせず読めた、画期的な(笑)お話。
が、するする読めたのに、話の中身が記憶にない……↑の「歳三の首」より4か月あとの刊行だったんだけど……今ぱらっと見返したら、ああ、そう云えば谷兄弟が出ずっぱってる話だったなァ。周平がやけに良い子で、そこはかとなく違和感。や、悪いというわけではなかったけど、そこまで聞きわけの良い奴だったわけでも……そうそう、谷三十郎を殺ったのが××、と云うのもちょっと……
とりあえず、文に引っかかりがなくなったので、話にも引っかからなくなった、のか……


新選組捕物帖」(秋山香乃 河出書房新社)
山南役が貸してくれた本。例の“源さんの事件簿”ですね。全部は読み通せてない(や、源さんのキャラに違和感が)のでアレなんですけども、とりあえず、好奇心旺盛でお節介なのは、源さんより鬼だと思いますよ。お人好しかどうかはともかくとして。
えーと、話としては、短い分、引っかからなくて良い、のかもしれないけども、この人の常(になりつつあるような)として、引っかかりがなくなると、残るものもないと云う……すみません、記憶にほぼ残ってない……(借りたの、今年に入ってからなんだけどなー)
とりあえず、最終章だけ鬼が主役なのは何でだ、と云う疑問が沸々と。
ホントにこの人に関しては、新撰組ネタでなかったら、まったく手に取ることもないだろうなァと思いましたよ、ふふふ……


「月下花伝」(越水利江子 大日本図書)
ひょんなことから手に入れたのですが。
えーと、YAだなァと云うか。この方は総司大好きなのね。とりあえず、ドリー夢気味だなァと思いながら読みました。調べ物はきっちりしてあるので、史実ファンの人なら不満はないでしょうが――ううぅぅぅん、ドリー夢……
正直、刀の話のあたりは、明治以降の剣道だなァと云うカンジ。いやまァ、YAならそれでいいんだけど。いいんだけど、史実の下調べの入念さがわかるだけに、こう……いろいろ物足りねー。YAだから仕方ないんだろうけどさ。でもさ。うううぅぅぅん……


「花天新選組」(越水利江子 大日本図書)
↑の話の続き、と云うか。ドリー夢&タイムスリップ(って云っていいのかな)。現代を生きる女の子が、新選組の(何かで突然死した)隊士の身体の中に! って云う。そこから総司死亡まで、のお話ですが。池田屋とか油小路とか、鳥羽伏見とかいろいろ出てきます。
源さんが、今までで一番イメージに近かった、ような気がする(描写的に)んだけど、印象が薄い……っつーか、全般的に夢の中で見たイメージみたいな書き方の文なんだよね。だから、調べてある割に(私的に)腑に落ちてこないカンジが致します。その辺、前作は現代が舞台だったので、ごまかしが効いてたのかもなァ。
総司が好きなのね〜と云うのはよくわかった。が、何か、偽善をするなら「風光る」くらいやって欲しかったような気も。個々の事件をかなりさらっと流してるので、いまいちその辺がねー。まァやっぱりYAなんだなァと云うカンジ。


「バラガキ」(中場利一 講談社文庫)
これが原作のお芝居を見に行くので買った本。「岸和田少年愚連隊」(未読)の人だなァと思いながら読んだのですが。
ははははは、「岸和田〜」の人だ! 何だこの暴力的な新撰組! や、でもこれこんなカンジだったよな、そうそう! これほど暴力的じゃなかったけど、こういう“オスガキ!”ってカンジの集団だよな、って云うのが(笑)。
女性はこの話ビミョーだろう(←自分は?)と思いつつ、個人的にはすっごい面白かった。でも、ものごとを考えるのは、多分かっちゃんより鬼だけどね(笑)。愚連隊な新撰組がいけるならお勧め。私は、浅田次郎のより、こっちの新撰組の方が好きだなー(笑)。


「黒猫」(中場利一 朝日新聞出版)
で、続編。総司が主人公。例の光縁寺の“沖田氏縁者”からインスパイアされたと思しきお話。
相変わらずオスガキ集団の新撰組。鬼が、前作よりやさしそう(※対総司限定)。南さんがヒステリックだったり、源さんがかっちゃんと取っ組み合いの喧嘩したり(笑)してます。
主筋はあれとして、こまごまとした人物像がいいな。宮部鼎三さんとか、切腹間際の南さんとか。←の南さん、最高にいいです! 鬼と二人して、浅葱のだんだら羽織着て、お互い背を伸ばして対峙する鬼と南さんって! オスガキだなァ、バカだなァ、って思うんだけど、何かこう、くるものがあったりとか。
それに較べると、かっちゃんは碌でもない、けど、うん、こんなカンジだねと云う。かっちゃんに夢が見たいんだったら、この話はお勧めしませんが、そうでないならお勧め――ただし、すっごい暴力的ですが。これも、オトコノコ向けだなー。


あと、どれも連載中(単行本は未刊行)ですが、


「アサギ 新選組刃義抄」(ヤングガンガン)
新選組研究で有名な山村竜也さんが監修をやってるお話。出だし、千駄ヶ谷の総司からはじまり、今は浪士組になるあたりを連載中――まだ芹鴨出てきません。
キャラは愉快ですが、若干イメージが……(総司、平ちゃん、一ちゃん) さてさて、どこまで話が続けられるのか、その辺かなり心配。いや、大体鳥羽伏見まで行けないからね、漫画の新撰組ってね。山村さん、頑張ってください(←そっち?)。


「歳三 梅いちりん」(YOU)
吉原堤の決闘が元ネタの、鬼主役の試衛館話。伊庭が可愛い。総司は生意気。南さんがもっさりしてたり、ぱっつぁんがむさかったりと、そっちがすげェ。
しかし、太夫・黛が鬼に惚れた理由がイマイチわからん、のは、初回を読んでないせい? とりあえず、そろそろ決闘、ということで、エロ隠居相手に大見得を切る鬼が見たいもんです。
ところで、鬼が総司と一戦やった時、頭突きやら足踏みやらやらかしたってネタは、どっかにあるんですかね? や、私は(電波情報で)阿呆話を書いたんですが、資料チェックはしてないので――話残ってるんなら面白ェなァと思って。あるんですかね?


「ICHI」(イブニング)
何か、座頭市的な話? 私も飛び飛びにしか読んでないので、何がどうなってどう進んでるのか、定かではありませんが――とりあえず、主役のイチ(漢字どんなんだっけ)とともに、辻斬りだか何だかの捜査に乗り出すかっちゃん、鬼、総司と一ちゃんもいたっけか? 桂さんが出てきたり何だりと、ちょっとこの先注目、なのかなー。


とりあえず、新しい(自分的に)のはこんなもん?


何か全般的に、小説ならば男性作者、漫画ならば女性作者、の方が面白く感じる模様。
多分、女性の心理描写はくどめ(失礼)なので、漫画だと客観性が高くなる(単純に心理描写に対するウェイトが低いという意味において)分、それでバランスがとれるんだけど、小説だとちょっと入り過ぎた感じになる、のかも。男性の漫画は、わりとドライだか暑っ苦しいか、な感じが――って、「武死道」のヒロモト森一さんって、どっちなんだろ(北.斗.の.拳はアレなんだけど、この人が今ばんちで連載してるジャギ漫画は結構好き)。
風光る」はこう、何か油小路にまで偽善的なにおいをさせようと云う目論見が見えて、どうにもこうにも。鬼のアレは、何のトラウマなの? っつーか、どこまで描くのか、この人は――まァいっそ東下まで描いてくれるといろいろ面白いのかも知れませんが。
浅田次郎の連載(してるそうですね)は、まったく興味がないので、単行本になろうが文庫落ちしようが読まないと思います。っつーか、どうもあの人の話が好かんのよ。そんだけ。
かと云って、皆さんお好きな「黒龍の柩」も読む気はしないのですが。北方さんはカッコ良すぎますよ……


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さて。
次はルネサンス〜。
そろそろルネサンスログも、本館に上げたいですね……