「BARAGA鬼」観劇記。

と云うわけで、またまた予告どおり観劇記を。
全労災ホールスペース・ゼロで上演中の、演劇集団Z団「BARAGA鬼」です。
ネタばれを含む&何か吐いてます(しかし畳まない)ので、ご注意!


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えーと、今回は珍しく、山南役とではなく、職場のNさん&Oさんとご一緒に。
Nさんが鬼役の役者さんの大ファンなので、その関係で誘っていただいたのですが。
えーと、「遥か」(オトメゲーの)の舞台の脚とかやってる方が脚本・演出で、役者さんも結構被ってるらしい……


とりあえず、NさんOさんが“神!”と云ってたとおり、脚本・演出とも、今まで見た中で一番よくできてました。うん、これは“プロのお仕事”だ。
170分で、池田屋五稜郭をまとめ切って、なおかつ流れも舞台変換も非常にスムーズだった。
話としては、もちろん(時間の関係で)かなりトンデモでしたが、おそらく史実ファンの人でも、さほど違和感は感じないんじゃないかな――アレだ、「薄桜鬼」に感じない程度には。
ただ、大変申し訳ないのですが、個人的には、よくできていたからこそ余計に、純粋にお芝居としては楽しめなかった。
すごく胸の底がざわついて、鳥羽・伏見とか箱館とか、よくできてるとは思いつつも、「違う、違う、違うんだ!!」と思わずにはいられなかった――すみません、真剣に幕末引っ張り過ぎてるわ……


えーとえーと、脚本は特にアレコレはないんですが、敢えて云うなら、あんだけ史実を改編したんだから、一本木関門のシーン、もっと激しく改編してもよかったんじゃ。またしても司馬遼と同じで、そこだけは苦笑せざるを得ませんでした。せっかく久保さんと桂さんがきてたんだし、そこに斬りかかるところで撃たれても、それはそれで良かったような。まぁ、瑕瑾と云うほどのものでもないんですけどね。
殺陣もよかった。実戦向ではない(概ね気にはならなかったけど、若干刀の差し方もアレだったし)けども、舞台としては非常に見場のいい殺陣だったと思います。


役者さんは――うーん、女性は若干(好みとして)微妙。っつーか、仕方ないけど“つくってる”感が目立つと云うか。中では会津の御庭番役・真山奈緒さんが良かった、が、やはり好み的には若干……
男性陣は、かっちゃんの末吉司弥さんとぱっつぁん役の方(手元にキャスティング表がないので、お名前が……)が、今までで一番イメージに近かったな。顔と云い、雰囲気と云い。
あと、かっしーの木村啓介さん? が、イメージとは違うけど、いいなと思いました。
一ちゃん、総司は、実物よりもいいわ。平ちゃんは――話的には腑に落ちた(特に油小路とか)けど、イメージとしてはへにゃすぎるなー。いや、だから話的には良かったですって。
鬼――すみません、世間的“カッコいい鬼”って、ああ云うのなんだろうけど――や、確かに格好いいんだけど、何かこう、こっ恥かしい感じが。カッコつけてるなーって云うか、何て云うか。恥かしいけど、「独眼龍政宗」の羞恥プレイとは、また違う恥かしさでした。うん、これも個人的なアレコレだわね。
桂さんの方は、殺陣師らしいのですが、ええ、カッコ良かったです――桂さんにしては背が(以下略)だけど。
あ、あと久保さんの人が面白かった! 良いキャラだなー。終演後のトークライブでも、結構いい味出してました。


ホントに、基本的に云うことはないんですが――
何かこう、ざわざわするなー。
結局、やはり私には、幕末の芝居を冷静には見れないのかもね。良くできてれば良くできてるほど、もやもやとしたものが湧き上ってくるので――
あああ、あの戦場に戻りたくなりましたよ――戻るべき戦場なんて、もう何処にもないんだけれど。戦争がしたいわけでもないんだけれど。


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とりあえず、戻るべき戦場はないので、気分だけでも戦場に戻ります。
ってことで、次は阿呆話を一回飛ばして、鬼の北海行の続きで。
ちょっとこのざわつきが収まったら、書きはじめる所存――ううう、PCも入院中(ちょっと阿呆やりまして/苦笑)なので、戻るころに更新でー。