小噺・閑話休題 其の四

「あれ、仏頂面でどうしたよ、ハチ?」
「コタか……別に(脹れ)」
「(吹き出し、膝を打って)何拗ねてんだよ、“別に”って! っつぅか、帰りだろ、どこ行ってたんだ?」
「……歳さんところ(不機嫌)」
「(ぴんときて)ははぁ、また向こうの誰やらに邪魔にされたんだな?」
「べっ、別においら、邪魔されてなんぞ……」
「いねぇんなら、そんな仏頂面してねぇだろ。……ほら、云ってみろ、誰に邪魔されたって?」
「――……阿部伊勢守様」
「はっはっはっは! 伊勢守様ぁ、あの黒いお狐様に御執心らしいもんな! で、お前、すごすごと帰ってきたってぇわけかい」
「……元老中首座様に、おいらが太刀打ちできるかよ!」
「はっはっは!! 伊勢守様の前じゃあ、流石の“伊庭の麒麟児”も形なしか! (笑)」
「うるせぇよ、コタ!! (睨)」
「で、用はちゃんと果たしてきたのか? 一応、用事があるから行ったんだろ、お前、意地っ張りだから」
「意地っ張りってなぁ何だよ! ……済ましてきたさ、一応」
「一応?」
「――済まして、ちょっと歳さんからかって帰ろうと思ったらさ」
「“思ったら”?」
「長州の、例の高杉が来やがってさ。それで、歳さん、おいらのことなんかほっぽって、高杉構いにいっちまいやがった(脹れ)」
「高杉に負けたか!! (爆笑)」
「負けてねぇよ!!! (むきになって)」
「はいはい、そういうことにしといてやるよ。――(酒を取り出して)で、伊勢守様ぁ、どう関わってくるんだって?」
「(あ、この野郎、また呑みはじめやがった)……で、仕方ねぇから帰ろうとしたら、伊勢守様が来て、おいらにちくちくと厭味をおっしゃるわけさ」
「ああ、お狐様が高杉の方に行っちまったからか! お前、とんだとばっちりだったな! (手酌で酒を呑む)」
「もう、今度向こうに用があったって、絶対おいらが出たりするもんか!」
「(盃を干し)何だお前、ちょっとお狐様に相手にされなかったからって、そんなに拗ねちまって」
「拗ねてねぇって!」
「拗ねてるじゃねぇか。(また盃を干す)――まったく、お狐様のこと、気になるなら気になる、好きなら好きって、はっきり云ってやりゃあいいだろうに(くくく)」
「……! おいらぁ、歳さんのことなんか、好きとかそんなこと、かけらも思ってねぇよ!!!!!」
「またまたぁ(笑)」
「何が“またまたぁ”だ、この呑んだくれ!!!」
「お前も呑むか? 素直になれるぞぉ? (笑)」
「ならなくていい!!! (踵を返す)」
「お? どこ行くんだよハチ?」
「花街だよ!!」
「ははは、また振られて、泣きついてくるんじゃねぇぞー(笑)」
「うるせぇや!!! ……畜生、コタなんか、コタなんか……呑み過ぎで行き倒れてても、絶対拾ってなんかやるもんかぁ!!!!! (叫びながら、脱兎)」
「(徳利を持つ手を上げて)あ、何だよハチぃ。……まったく、ホントに素直じゃねぇんだから(笑)」


† † † † †


久々の阿呆話at地獄の三丁目。
今回は、何故か伊庭と本山さんで。


えーと、この二人なのは、アレだ、先日買った薄くて高い本(笑)に、本山×伊庭的な話があり、それを読んで、“そう云やァ、うちのあの二人って……”と思って、浮かんだ話なのです。
伊庭はまァアレとして、本山さんはタイプ的に南さん系、但し腹黒と云うよりは食えないタイプ、と云う。うん、鼻眼鏡っぽい眼鏡の、アレだ、『アサギ』の南さんみたいなカンジと云うか。でもって、めっさ呑んだくれ、と(←、これは史実だ)。
でもって、“コタ”“ハチ”と呼び合う、“悪相棒”と書いて“マブダチ”と読む系友人関係ですね。
チャラ男の伊庭を、ちょっと離れたところで見守り(?)つつ、自分は自分で適当(←言葉本来の意味として)に生きてるカンジで。
っつーか、伊庭こそ意外にもてないタイプだと思う――自分がイケメンで、賢くって強い、って自覚ありーの、見せびらかしまくりーの、だと、ちょっと女の扱いが丁寧だって、最終的には捨てられがちなんだよな。だからこないだも振られたんだよおめェ。いい加減自覚しろ、って、きっと本山さんも思ってるさ……
あ、姫=阿部正弘殿に関しては、鬼が一時甘やかしまくったので、“我儘を聞いてくれる保護者(って、鬼の方が年下ですが……)的な相手”と云う認識だと思います。腐的関係ではないと思う……


話は変わりますが。
『遥.か5』、幕末だそうですね! (職場にネオロマ好きさんがいるんですよ)
「B’s LOG」に載ってた広告見て、“これ南さん? 南さん?”とかウキウキしてたのですが――小松っとんだということで、ちょっとがっかり……いや、だって!
他が杉、総司、龍馬、アーネスト・サトウ(←何故)+オリキャラ2名なのはアレとして、最後の一人が福地桜痴(ゲーム内では桜“智”ですが)ってどうよ!!!
福地桜痴(『幕末政治家』と云う本なんかを書いた、明治のジャーナリスト)なんか誰も知らねーだろ! とか思ったのですが、考えてみたらこいつ、新撰組とも関わりがあったんだった……
っつーか試衛館で皆がごろごろしてたころにちょっと出入りしてて、後に鬼のことを「猫背の商人風で、少しく気障なところがあり、嫌いな奴も結構いた。かく云う自分もあいつのことは好きじゃなく……」とか書いた、あの男じゃねェか!!!!! くそー、ジャガイモみてェな面してやがるくせに!!!
いや、思うんですけども、“明治のジャーナリスト”枠なら、福地桜痴より絶対こっしーこと木村甲子太郎=成島柳北さん、の方が、イケメンだし元・幕臣だしゴシップ大好きだしで、いいと思うんですけども! 何で福地桜痴!!! ……納得いかねェ……(号が中.二.病だと、沖田番が笑ってましたぜ)


そうそう、↑に絡んで、阿呆話的八.葉(笑)をチョイスしたらどうなるか、と云う話を沖田番としていたのですが。
えー、まず王子=山川大蔵さん、平ちゃん、秋月登之助さん、伊庭、高杉(や、イケメンってわけじゃあないけど、ね)、桂さん、(大)久保(一蔵)さん、で、小松(兄)だろう、って話――だったよな?
ええ、なるべく皆さんが史実を調べてもがっかりしないイケメンを揃えてみました。鬼? 鬼は、ねェ……うんまァ、皆さんがお望みでしたら入れても良いですけども。
ちなみに、私が落としたいひとを集めた八.葉(笑)は――姫、勝さん、中島三郎助さん、森彌一左衛門さん、林忠崇さん、大久保一翁さん、上杉鷹山さん、彦にゃん、ってカンジでした。平均年齢高過ぎ、っつーか、最年少が三十九歳の姫って……! オヤジ好き過ぎますか……(しかし、鷹山さんはちょっと初期ステータス(笑)が高過ぎそうなカンジが……/汗)
沖田番に「島田(魁)は入れねェんですかい?」とか云われましたが――落とす愉しみのない奴を入れてどうするか! こう云うのはやっぱ、ちょっと手ごわいカンジでないと、ねェ?


この項終了。
次は(多分)鬼の北海行で〜。