秋の宮島行 その1

と云うわけで、行ってきました安芸の宮島
お暇と心の余裕がおありの方は、下からどうぞ〜。


表題は“秋の”ですが、立冬は過ぎておりましたね……
その、寒い日の、さらに寒い早朝5:30に家を発ち、東京駅へ。7:10ののぞみで、広島までGO。


しかし、電車(某私鉄帝国)に乗ってしばらくすると、沖田番からのメールが。


「おはようごぜェます! 俺ァ、あんまりわくわくしてたもんで、もう東京駅に着いちまいましたぜ(てへ)」


……ってさァ! 1時間前に到着って、どんだけ楽しみだったんだ、沖田番!!!
しかしまァ、むこうはもうついてても、こっちはまだまだ。
池袋から山手線(外回り)でちんたらと向かいます。何て云うか、微妙に不便なんだよねェ、この路線。普段は一本南の路線を使ってるんで、もっとアレなんですが。


で、無事に合流して、新幹線に乗りこみます。E、D席なので、富士山の側、っつーか、福山駅ではお城が見える。姫♪
朝食はかるぅくだったので+広島到着は11時ごろなので、空腹にならないよういろいろ買いこみ、いざ出発。
しかし、岡山も結構遠かったが、広島はなお遠い――4時間坐りっぱなしって、きついわァ……
まァそれでも、何のかんので時間は過ぎ(いつものように、京都で沖田番が降りようとしかけたり、福山城をガン見したり)、ほぼ定刻どおり広島駅着。


昼前ですが、広島市内観光や、宮島へ直行、などはせず、せっかくだからと岩国へ向かいます。いや、ここまで来たからには、割と近いんだし、錦帯橋も見ておきたいじゃない……
えー、広島⇔岩国間はJR山陽本線各駅でほぼ50分ほど、そこからバスで15分ほどで、錦帯橋に到着します。
っつーか、岩国って山口県なんだよね、そう云えばね。毛利家の一族・吉川氏の治めてた藩(但し、長州が幕府に支藩としての届出を出さなかったため、公には岩国は“藩”ではなく“領”なのだとかbyWiki)だそうですが、広島駅から50分かァ……姫の領地=福山は、普通だと3時間overなのにな……
岩国の名物は寿司と蓮根! 名物で腹を満たそう、と思っていたのですが……


まずは錦帯橋
錦帯橋の往復渡橋料(?)+岩国城ロープウェー往復乗車券+岩国城入場料で、¥930-(確か)のチケットを購入。錦帯橋¥300-+ロープウェー¥540-+城¥260-=¥1,100-に較べると、¥170-お得で、チケット自体も、参勤交代の列をデザインした、ちょっといいカンジのもの。
まずは橋を渡る。
実は錦帯橋、おかんの知り合いの旦那さんが、ついこないだの架け替え工事に噛んでまして、それもあって行ってみたかったのですが。
うん、すごいねー、この美しいアーチの連なり、木材の生み出す繊細な曲線!
と思いながらてくてく歩く(段差が微妙で、気をつけて歩かないとコケます)、と、むこうからでっかい白わんこを連れたねーさんが! やわらか銀行のお父さんではなく、むしろ昔のアニメ「ジョリイ」的な? いやー、これは、ちっさい子どもなら背中に乗って走れるね!
わんこはおとなしく、ねーさんに連れられて橋を渡っていきました。
それを見送りつつ、こちらも対岸へ。


呼び込みのやかましい店の並ぶところを抜けて、まずは吉香公園へ。ここは、藩主・吉川氏の居城(平時の)があったところです。
地図をどっかにやっちゃったので、名称がよくわからんのですが、古い民家(? 武家の屋敷と云うよりは、郷士の館っぽい)をぐるっと見学、そののち、噴水広場的なところ(大小様々の噴水があります)の間をふらふらし、ふと目に付いた鳥居をくぐってみる――これは、吉香神社と云うらしい。多分、初代藩主とかを祀った御社です。
これがこじんまりとして、なかなかいいカンジ。古寂びた御社にお参りして、腹が減ったので境内の御茶屋っぽいお店に。
これがね、なかなか美味しかった♥ いや、例の“殿様寿司”とかはなかったのですが、でもって食べたのはうどんと小鉢3種のセットだったのですが。小鉢もうどんも旨々♥ 私は力うどん、沖田番は肉うどんでした――ホントに肉好きだな、沖田番よ。
吉香神社って、公園内ではすこし外れたところにあるのですが、その割には結構混んでた。まァ、美味しいもんなー。
満腹になって出てみると、鳥居の先の橋のたもとに猫が一匹――っつーか、この猫、さっきから我々の行く手に先回りしてるような――気のせいか?


さて、ではいざ山頂へ。
ロープウェーに乗りこみます。
っつーか、人多いなァと思ってたら、今日って日曜じゃん! と云うことに、今さら気づく――だって、いっつも沖田番と出かけるときは火曜か水曜だからさ!
ここのロープウェーは意外に短いです。5分程度でさくっと到着。さて、ここからは歩きです、が。
えー、標識があり、「→山道 ←平坦な道」とか書いてある。まァここは、腹ごなしついでに山道を行こう!
とか云って→へ向かったら、これが結構ホントに山道でした……この道、結構端っこヤバいんですけど! マジで落ちたら死にそうなんですけど! しかも、手すりとかガードレール的なものとか、ないときてやがる……道幅あるからいいけども、雨上がりとかマジでヤバいって!!
でもって、息を切らしつつ(←それなりにきつい勾配)岩国城へ。天守はもちろん建て直し。
これがね! 展示が、刀剣好きにはたまらないカンジでした、っつーか、意外に実用的な刃とか拵えとかで♥ もちろん、葵の御紋の入った拝領の品とかもありましたけどね! (ホントにいいものは、吉川資料館の方に収蔵されてるはず)
「これは(古馴染み連中の)某に似合いそう」だの「こっちは何某のイメージ」だの云い合いながら見学。個人的には、刃も良かったけど、拵えの散る桜の鞘と、飾り紋の入った鞘の石突のところに、浪輪に千鳥の絵の入ったもの、が、可愛くて良かったです。特に千鳥……ホントマジ可愛いわ……


さてさて、城を出て、ちょっと一息入れたら、そろそろ3時くらいなので、宮島に移動かな?
平坦な道をゆっくりと歩き(途中、秘密の通路を兼ねた大井戸を見物)、ロープウェーの山頂駅へ。
麓に下りてまた吉香公園に入ると、さっきの猫がまだいるよ……っつーか、何故ずっとひとの行く手に回り込むのだ! オカシイよ、この猫!
で、てくてくと錦帯橋へ戻り(途中で焼いてた団子を食う)、橋を渡ってから、河原へと下りてみる。
うひゃ〜、橋脚が! っつーか、川底も石を敷きつめてあるけど、このへんもか、とか云いながら、写真を撮りまくる。
でもって、再びバスに乗り(帰りのバスは、沖田番の乗りたがってたレトロな電車風の車体のもの)岩国駅へ。バス、往路と復路でルートが違ったのですが、帰りのルートは、古い電車が走ってた道だったらしい――って、あんな住宅地の真ん中を、電車が走ってたんだろうか……それとも、昔はあの辺田圃だったとか? ……それにしてもなァ……


さて、いよいよ宮島!
JR宮島口で降りたら、すぐの桟橋からフェリーに飛び乗り(JRと宮島松大汽船と、2種類あり、どちらも船賃は¥170-。来てたので、何となくJRを使いましたが)、宮島へ。
「ああ、俺の十数年来の野望がやっと叶いまさァ! (感涙)」
と喜ぶ沖田番。まァね、ずっと企画するたびに台風が来たり、ツアーそのものが潰れたりしたらしいもんなァ、沖田番。良かったなァ、今回は来れて。
あ、JRのフェリー(宮島口→宮島)は、途中、大鳥居に近づいてくれるので、昔の宮島参りの気分を味わいたい方には、こっちがお勧めかも(帰りは、寄り道せずにまっすぐですよ)。ま、あの辺は海底が浅いので、くぐれそうなほど近く、ってわけではもちろんありませんが。
10分ほどで宮島桟橋に到着。さて、これからお宿へGO。


本日のお宿(連泊できなかった……/涙)は、ホテルみや離宮、桟橋から徒歩3分の、海に面したお宿です。
部屋は2階の海側、っつーか、思いっきり通りに面してるんですが。夜の着替えの時には障子は閉めないと、って云うか、そもそも開けて着替えるなと云う話ですか。なァ、沖田番よ?
荷物を置いて散策、の前に、本日の夜の、参拝遊覧の予約をお願いする。
このホテル、夜8時から太鼓ショーがあると云うことなので、それを外して、9:15〜の便を希望で。
それ待ちやら何やらで、ホテルを出たのが4:30くらい?
鹿(奈良のよりちっさい)を冷やかしたり、商店街を冷やかしたりしつつ、厳島神社へ。
の前に、鳥居! 鳥居! 写真を撮りまくって、さてお参り、と思ったら、5時でアウト(夏季は〜18:00なのですが、今時期は〜17:00)。
「朝は6:30から開いてますんで、また明日お願いします」とにいさんに云われ、仕方なく撤退。
飯は19:00設定だし、ちょっとちんたらして、とか云って、


「牡蠣! 牡蠣! 広島ったら牡蠣でしょう! 焼き牡蠣食わせなせェよ!!」


と云う沖田番に押され、みせんと云うお店で焼き牡蠣を。
「今日最後だからねー」と1皿2ケを3ケにおまけしてもらうも、後から来たかぽーは、普通に1皿2ケでしたが……
これが旨々! 私はそんなに牡蠣が好きなわけではないのですが、ここの牡蠣は美味しかったです。ぷりぷりしてる!
ホントは、やはり名物のにぎり天(細長いさつま揚げ的な?)も食べたかったのですが、夕食が入らないとしょんぼりなので、本日のところは断念で。


でもって、桟橋の売店で酒(地元の「弥山」と云うお酒)を買って、お宿へ戻る。
帰る途中、鹿の溜まり場のなかをもそもそと動いていく生き物が――猫? と思ったが、それにしては動き方がもっそりしてる。
と、それが顔をあげ――


「狸、か?」
「っぽいですねェ」


うん、なんかそんな感じの生き物でした。
後日説明書きをみたところでは、それはどうやら穴熊だったらしい……はじめて見た! 顔は狸に非常に良く似てますね。何か、顔の模様の入り方が違う、らしいのですが。夕方の薄暗い時間帯&遠目で、そこまでわかるかー!
まァ、貴重なショットでしたとも。


で、宿について、まだ6時くらいなので、先に風呂に入ろう、と云うことで、酒を冷蔵庫に突っこみ、最上階のお風呂へGO。
えー、うん、ここは普通のお湯の風呂らしいのですが、広くって良かったです。露天じゃないのが惜しいけど、まァ普通の風呂なら致し方あるまい。
潮風でぺたぺたする髪を洗い(しかし、夕食後また潮風に吹かれることになるのですが……)、ざっとあったまって、夕食です。
えーと、とりあえず、牡蠣はありませんでした……が、あなご飯はあったよ。いろいろ極上! ってわけではないのですが、美味しいのは美味しかった。割とはっきりしたお味の料理が多かったので、一品一品の量は少なくても、食べ終わると満腹&満足に……でも、連泊すると飽きるかも、と云うのは、翌日のお宿が(以下略)だからですが。
あ、お酒もちょっと戴きましたが(酒名忘れた)、うん、まァまァでした、っつーか「弥山」の何かだったっけ?


で、8時になったのでロビーに出て、太鼓ショーを見物。
……うん、何か、今観阿弥世阿弥のアレコレ追っかけてるせいかも知れませんが、古い猿楽とか散楽とか田楽とかって、こんなカンジかもなー、と思いながら見てました。
太鼓の先生は福井の人(←広島なのに、何故)なのだそうですが、田舎がそっちなので、何か懐かしい気分になりました――そうそう、こういう太鼓の打ち方なんだよねー的な。
まァ太鼓自体は(鼓.童とか鬼.太.鼓.座とかみたいな)すごいのではなかったのですが、でも充分楽しめましたよ、っつーか、演ってたひとが皆従業員って! 中で巧い方の人たちが、神奈川と東京出身とか云うので、またびっくり。っつーか、首都圏から宮島で就職かァ……それもそれでいい、のかも、っつーか、ここまできて、よもや太鼓叩いたりするようなことになるとは思ってもみなかったんだろうなァ。
最後、鬼面(夜光塗料塗布済)を被って演ったのが、なかなか素敵なパフォーマンスでした。


で、9時になったので、そろそろと桟橋の方へ。
行くと、もう結構な人が集まってる。若いひとって、ほとんどいないなー。まァ日曜日の夜じゃあ、現役のひとは帰ってるよねー。
時間になったので、ぞろぞろと中へ。何か、一回につき50人までらしいんですけど、この最後の回は満席だったっぽい。前の回はすくなかったっぽいのにねー。
えーと、聞いてびっくり、厳島神社の創建は、推古天皇のころなのだそうで。その前は、多分、弥山と云うか、宮島全体が禁域で、御社もなくって、船で海上から参拝してたんじゃないかというお話でした。今でも、この遊覧船にはその名残で、大鳥居の下をくぐる前に、“三艘”(って書くのかな?)と云って、左に3回船を旋回させてからくぐる、と云うのの簡易版(1回だけ回る)をやって、社域に入るのだそうです。って云うか回りました。
鳥居の内でお参りして(二礼一拍手一礼)、ゆっくり桟橋に帰ります。
宮島近海は、6時間おきに4mの潮位の差があるのだそうで――フランスのモン・サン・ミッシェルは約16mだそうなので、それに較べれば全然だけど、それでも結構潮位の差があるよねー。明け方の4時くらいが、朝の干潮だそうですので、そのころには歩いて鳥居の下をくぐれるっぽい。じゃあ、明日の朝はそれ! とか云ってるうちに、船は桟橋へ。


真っ暗(宮島は、6時過ぎたら店も閉まるし、コンビニもないし)な中を帰り、また一風呂浴びて(寒いから!)、ナイトキャップのお時間です。
酒と一緒に買ってた牡蠣の燻製(最初ゴム噛んでるみたいなんだけど、次第に味が)を齧りつつ、冷えた「弥山」を戴く――まァまァだね。
1本開けるつもりが、疲れていたのか、瓶半分で撃沈。寝たのは多分12時ちょっと過ぎ、か? まァそんなもんで。


この日は終了(長い……)。
二日目に続きます〜。