真言古寺巡礼 その3

ってわけで、京都最終日。
お暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ。



最終日の朝は7:30くらいの起床? やっぱり高雄〜栂尾の歩きはハードだったっぽい……
8:30くらいに身支度を整えて、チェックアウト。荷物をクロークに預けて、またも駅ナカカフェで朝食。昨日とは違うお店。サラリーマンが多い。



で、今日は遠出もできない(帰りの新幹線が15:00なので)から、せっかくだし大河絡みのお寺でも、ってわけで、六波羅蜜寺を目指します。
駅の自由通路を通って北口へ、そこから塩小路を東へGO。
寒いな、と思ってたら、白いものが舞う――風花だ! お名残惜しいカンジ? とか云いながら、鳥野辺方面へ。
まずは三十三間堂こと蓮華王院。例の“大天狗”後白河法皇の建てたお寺。これの落成の時に、息子の二条天皇ともめたエピソードが残ってますね。
今回はじめて知ったのですが、ここって天台の寺なのね! 知らんかった、何度も行ってるのに!
お約束のように自分似の千手観音を探しつつ、たらっと拝観。卒業旅行? 的学生多い。ガキんちょども、今ちゃんと見とかないと、後でもったいないことしたって悔やむことになるぜ?
定時のお勤めの読経の声が、真言宗と違うなァとか思いながら、三十三間堂を後に。



次は、一度行ってみたかった、智積院真言宗智山派の総本山です。
行ってみたら、門のところに何か立て看が――え、お葬式? っつーか、宮坂宥勝、って、私も(著書で一方的に)お世話になってる宮坂師? 亡くなったのか、知らなかった!
どうやら15:00〜御通夜らしく、中はばたばたしてる模様。
でも、拝観できないとは書いてないから、失礼して入らせてもらおう。
長谷川等伯と息子+弟子、の障壁画は、何と息子が一番凄かった。弟子はやっぱり何か違うね――かたちはそれらしくしてあるんだけど、魂入ってないカンジ?
で、利休様式だって云う庭を見に、書院? へ。
ところが庭も工事中、って云うか、メンテ中。
とりあえず、新しい障壁画見せてもらおう、と書院に上がりこむ。
えーと、障壁画はホントに新しい――平成十年とか書いてあったような。しかし、流石に現役の大本山、モダンな絵の、雰囲気のある障壁画でした。
しかし、どの部屋も御通夜の為の控え室と化していて、“……会様控え室”とか云う貼り紙がしてあり、座布団とか机とかが用意されてましたわ。生きてるお寺ならでは、か。
ぐるっと回って、金堂へ。宮坂師のご冥福を祈ってお参り。ここも午後の準備中でした。若いお坊さんが、不法駐車のことか何かの愚痴を云ってて、ちょっと可笑しかった――どこのお寺もこんなもんか。そうだよね。
大師堂にお参り(修行中だそうなので、外からね)して、智積院を後に。



次は六波羅密寺。
東大路通を北進して、清水下あたりから西に入る。そのままちょろりと歩くと六波羅蜜寺です。
その区画の角のところにもお寺があるのですが、は? “弘法大師お手彫りのお地蔵様”だと、っつーか、檀林皇后、つまりは橘嘉智子ちゃんゆかりの寺だと……?
正直、嘉智子ちゃんは少々微妙(逸勢のこと嫌いだったよね、嘉智子ちゃん)なのですが、まぁ一応お参りしておく。拝観料取られるっぽいので、外だけですが。
で、そこから左折して、六波羅蜜寺。大河のせいで、おばちゃんばっかですわ。
っつか、六波羅蜜寺、いろいろ補修とかしてるせいか、柵とか何とかがやけに朱くてキラキラで、どうよでした。いや、本堂は割と古くて風情もあるんだけど。キラキラ強烈過ぎて、印象がさ――観光寺院は、お客の期待もある程度加味すべき。見た目は大事。
で、本堂にお参り後、宝物館へ。ここは例の有名な六波羅入道=平清盛像と、こちらも有名な空也上人像を所蔵しているのです。
えーと、清盛像は意外に小さいカンジ、逆に空也上人像は思ったより大きめ? どっちも教科書で見たとおりでした。空也上人の口から出てる仏様6体が針金で繋いであるのが、鎌倉時代とかだと思うと何か凄いなぁと。
ところで、六波羅蜜寺も何故か真言宗なので、宝物館には阿闍梨像もありましたが、時代が結構下るのか(あれ、割と最近の作だっけ?)新しそうでイマイチ……まァ信仰の問題だからな、この辺は。
六波羅蜜寺はこれでおしまい。



で、そこから東へ、清水寺方面へ。
と云っても、清水寺にはお参りしないで、三年坂を高台寺方面へ。
っつーか、先刻から舞ってた風花が、本格的な雪になってきた――何か、三年前の旅行の時も、この辺で雪に降られたんだよね……何かあるのかこの辺。
とりあえず昼飯、と思って、三年坂〜二年坂をうろうろ。適当な店に入り、熱いうどんを戴く。冷えてたので、うまうま。
しかし、食い終わって外に出たら、雪がものっそいことに……



まだ時間があるので、高台寺に。もう4回くらい来てるけど、まぁ良いでしょう。
しかし、いっつも思うんだけど、ここ、解説してくれる人がいるのはいいんだけど、イマイチ機械的なんだよね……観智院のおじさんみたいにのりのりじゃなくてもいいんですが、もうちょっと何かさ……まァいいけど。



ぐるっと見て、そろそろ頃合いもいいので、清水寺まで戻り、途中のかさぎやで、沖田番が食べたいと云ったぜんざいを戴く。沖田番は粒餡の、私は漉し餡のにしました。何となく。人が全然いなくって、これはこれで良いカンジ。
そこから清水坂でタクシー拾ってホテルへ戻り、荷物回収&お土産買い漁り。無事15:00ののぞみに乗って帰りました。
今回も満喫した。


† † † † †


そう云えば、ちょいと前ですが、角川映画の『源氏物語』見てきました。職場でチケット貰ったので――新宿のシネマ角川で見たのですが、あそこ、角川系の映画見るならお勧めです。椅子がいい! 多分試写会とかよくするとこなんだと思う――以前行った京橋の試写室もあんなカンジだったので。
えー、肝心の映画はと云いますと、もう止めようよあの黒歴史、って云う望月の歌再び!
御堂関白殿=ヒガシはビジュアル的には好きですが、どうも原作の解釈とかが好みじゃなく。御堂関白殿はもっとヘタレ! 永井路子のアレでいいと思うんですが!
あと、あまりにも若いカリスマ陰陽師殿に大笑い。ねェよアレ! だって、御堂関白殿が一の上になったあたりでお亡くなりになってるじゃないの、八十四くらいで!
そして、最大の不満は行成――あんなに白氏文集ばっか読んでる変な人ではないはず! ちょうど講談社学術文庫から『権記』の現代語訳が刊行されたとこだってのに、あれはあんまりだわ……
あ、紫式部はあんな人でいいと思います。嫌いじゃないけどね、清少納言よりは式部だけどね。って云うか彰子……もうちょっと美人に! あれはない!!
衣装は良かった(職場のMさんが云うほどにはモダンさが邪魔ではなかった)けど、そもそも脚本が変……
ところで、お坊さんが怨霊調伏やってたりしましたが、あの陀羅尼の唱え方は真言だよね? 高野山系? どこのお寺が一枚噛んでたんでしょうか、スタッフロールみてもわかんなかったんですが……
とりあえず、その内、御堂関白殿の阿呆話も書きたいですね……



さてさて、次こそは最澄の話ラスト。
泰範の話が見えてきてなかったのですが、高雄でちょこっと掴んだ、か? なので、ぼちぼち書きたいです。赤青と全然違う雰囲気になりそうですが、まァ泰範ってそんなもんだ。
逸勢の話はその後だな。っつーか、薬子の乱とか……orz
この項終了で〜。