「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展。

ってわけで、今さらですが!
3/31〜6/10にBunkamuraザ・ミュージアムで開催されておりました展覧会&記念講演会の感想など。
結構毒吐いてます、ご注意!



ダ・ヴィンチ展自体は、結局3回いきました――だって、アイルワース版! 今日(9/28)の夕刊で、あれが先生の真筆と認められたと云う記事が載ってましたが、うん、わかってた。だから3回も行ったんだもん!
あの展覧会開催時は、あれが真筆とはわかってなかったので、メディア的にも目玉は「ほつれ髪の女」でしたが、主催者とか的には、もう真筆扱いだったんだろうな、アイルワース版は、大きなホールっぽいエリアに、「ほつれ髪」と向かい合わせで展示されてました。
しかしアレですね、こうなったから云うわけじゃありませんが、世界で最初にあれを展示した国ですよ、日本! うふふふふ、今後は展示を目標に、とか記事には載ってましたが、今後は扱いが変わってきて、容易に国外に出ないだろうなって思うと、あの時舐めるように見ておいて、本当に良かった!
記事では「ルーブル版はアイルワース版の10年後の姿」とか書いてますが、んなわきゃねぇ、モデルの骨格が違うでしょ!
個人的には、アイルワース版が、例のリザ・ゲラルディーニ、つまりはモンナ・リーザ・デル・ジョコンドがモデルのものだと思ってますよ。ルーブル版? そりゃあもう、ふふふふふ。まぁ、それは話の中でおいおいに。



しかし、展覧会自体は、Bunkamuraからしょうがないけど、やや小ぶりでした。「岩窟の聖母」の模写的なものとか、先生のデッサンとか落書きとか、いろいろありましたけども、まぁ点数は少なかった……
しかし、個人的に楽しかったのは、サライが書いた(だろうと思われる)絵が数点来てたこと。マッケンジーの「裸のモナ・リザ」(ロケットぱいぱい/笑)は来てませんでしたが、もうひとつの「裸のモナ・リザ」が来てて、それはそれで(笑)。胸の上、鎖骨のちょっと下あたりの描写が男だ! サライ! 自分の胸見て描いたろそのあたり! と思って、沖田番と絵の前で爆笑しました。見ればわかると思うんですが、脂肪がないんですよ、胸の上にね……胸骨の線とか出てるんだが、こんなの、ガリガリの女子じゃない限りは出ねぇだろって云う(笑)。私は割と胸筋発達してる方ですが、こういう影はついてねぇなぁって云うね(笑)。女性像のモデルになることが多いからって、観察手ぇ抜いたら駄目だぞサラーイ(笑)。
しかしまぁ、“ロケットぱいぱい”(←胸からミサイル出そう)からもうひとつの「裸のモナ・リザ」までどれくらい間があいてるんだか知りませんが、巧くなってるよなぁ、サライ。それが、最終的にモナリザの模写(昔ルーブルにあったらしい。模写の中では一番良くできてるような)にまでなったんだから、よく頑張りました!



あと、先生の落書きで、老人の横顔のとか、中々笑えました。って云うか、先生の落書きとかって、何か少女漫画家の落書きに似てるよなと。みけらにょろのは思いっきり“落書き!”ってカンジなのを思うと、性格の違いってあるよなぁって思います。
他には、ラファエロの工房の作品とか、ジャンピエトリーノの絵とかありましたが。
ジャンピエトリーノ、一番明るい色彩の「マグダラのマリア」は綺麗でしたが、他のがね……結構女性がごつい&色が地味と云うか……でも、多分色がアレな方が、ジャンピエトリーノのシュミだと思う。女も、ごついのがシュミなんだと思う。くり返し描いてるって、そう云うことでしょ? 割と変わった趣味だったんだな、知らなかったよ……



で。
ここからが毒吐き、記念講演会by束芋
えーと、閉館後の展示室での講演と云うことで、結構また絵も見放題。これ入れると4回行ったことになるのかな。
で、講演会ですが――まず、進行役の美術評論家? の方が、体調不良により欠席。代わりに進行役を務めたのが、雑誌『BRUTUS』の副編集長だった人、のはず。
実作者の語るダ・ヴィンチってどうよ、と、開演前は結構皆さん(40人くらいいたかな?)盛り上がり気味だったのですが。
うん、駄目だった。って云うか、語るんならせめてもう少し下準備はしような?
何が駄目だって、メディアとアーティスト、みたいな切り口だったのですが、そもそも今のメディアとルネサンス期の“手記”を一緒にしてる段階でアウト。アノニモ・ガッディアーノは、今の美術評論家とはまったく話が違うし、ヴァザーリの『美術家列伝』にしても、批評ではないのだよ。
その辺と、今の美術評論を一緒にして語られると、多少なりともルネサンス史を齧ってる人間にとっては、えーって感じしかしないの。disってもいいんだけどさぁ、ある程度わかってからdisらないと、正直無知を晒してるだけになるんだぜ、ってカンジで、かなりアレな気分になりました。
進行役の方が編集者で、美術史とかにあんまり詳しくないのもまた拙かった。軌道修正してくれないんだもん。
あの場にいた聴衆は、結構年配の人も多く、多分束芋さんの活動よりもダ・ヴィンチとかルネサンスとかに詳しい人が多かったんじゃないかと思うのですが、そのせいかどうか、若干後半はたるんだ空気でした――聴衆が。
でもね、ちょっと内輪ネタ多すぎると思ったんですよね。皆、“束芋ダ・ヴィンチを語る!”を期待して行ったわけだから、そっちをもっとして欲しかったんだけどね!
これよりも、こないだBSプレミアムで再放送もしてた、『プロファイラー』の松井冬子の熱い語りの方が、他の人はどん引きだったと思う(子牛の解剖の話とかを熱っぽく語ってたし)けど、ずっと興味深かったですわ。
まぁ、アイルワース版とかじっくり見れたから、それで元は取った感じで。


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実は、マウリッツハイス展にも行ってきたのですが――正直フェルメールはどうでもいいや、と実感しただけでした。
何かこう、フェルメールって、実物も写真もウェイトが変わんないんだよね――セザンヌとかは、特に好きでもないんだけど、現物見たら凄さがわかったのですが、例の「真珠の耳飾りの少女」はそうでもなかった、っつーか“あー、写真と同じー”くらいだったので。
それよりは、フランダースの犬ルーベンスの祭壇画(下絵)とか、レンブラントの自画像年代順、とかの方がよっぽど面白かった。
沖田番が“フェルメールは萌絵だから”って云ってたけど、何となく納得。わーかわいー、以上。ってカンジ。フェルメール好きな人結構いる(学生時代からの友人かふ先生なんか、昔大阪まで見に行ってたよなー)けど、個人的にはまったく萌えませんでした。
他のオランダ絵画は面白かったのですが、いかんせん点数が少なく、その辺が残念でした。まぁ、金は出してない(これは招待券を貰った)ので、いいんですが。
また、他のオランダ絵画展があったら行きたいなー。



次の注目は、年明けのエル・グレコ展。格安の“グレコ券”(¥905-)をもう買ってスタンバってます。↑、チケットが打ち出し式で写真とかないのですが、とにかく安い! ので。11月頭までの販売なので、興味のある方はお早めに。プレイガイドとかで売ってます(私はチケぴで買った)。



ってわけで、次はやっと! 鬼の北海行ですね、お待たせしました。
そろそろ二股口も終わらせたいわ……