半色 二

 成親に連れられてやってきたのは、内裏の奥、後宮の一角にある、とある局であった。
 この局の主である女房と浅からぬ縁があるのだと、成親は、密やかな笑みを浮かべて云ったものだが――その“縁”とは、すなわち、この女房が後宮に上がる前に、かれがかの女のものへ通っていた、と云うようなことであったのだろう。まったく、男と云い女と云い、手が広い御仁である。
「――それにしても、大事ないのでございますか」
 六位以上の、いわゆる“殿上人”とても、内裏で入ることの適うのは、朝議などの行われる紫宸殿と南庭、帝の常の御座所である仁寿殿の一角までである。後宮となれば、入内した妃の近親ですらも容易に立ち入りを許されぬと、そのように聞いていたのだったが。
「なに、そのようなものなど、建前にございますよ」
 成親は澄まし顔で云って、廊下を通りがかった女房のひとりに、にこやかに挨拶をした。
「……さようでございますか」
 なるほど、挨拶を受けた女房が、やはり笑みとともに頭を垂れてきた、と云うことは、どうやら後宮においても、このようなことがまかりとおっているらしい――公家にあらざる重盛にとっては、驚かされることばかりである。
 やがて、この局の主らしきいくぶん年増の女房が、急ぎ足でこちらへやってきた。
「まぁ、右大将様。本日はどなたに御用でいらっしゃいます」
「ええ、実は……」
 成親は、笑って檜扇を広げ、その蔭からこっそりと囁いた。
「大宮様にお仕えの、左馬頭殿の御子のお顔を、こっそりと、と思いまして」
「あら、まぁ、三郎殿の」
 と云った女房の言葉が、重盛の耳を打った。
 “三郎殿”――官職で呼ばれるべき官人が、そのように通名で呼ばれていようとは。
「……“三郎殿”とは、また」
 同じことを成親も思ったのだろう、目を見開き、扇で口許を覆って、驚きの様を表している。
「あら」
 女房は、うっかりしたとでも云うように、やはり扇をわずかに開いて、口許にやった。
「源冠者殿を、こちらでは皆様そのように?」
 重盛が問うと、女房は、若干ばつが悪そうな面持ちで、
「えぇ、まぁ、その――大宮様がそのようにお呼びになられますもので」
 “大宮様”――それでは、皇后宮御自ら、左馬頭の子である小冠者を、通名で呼んでいると云うのか。
「大宮様が」
 成親も、それを由々しきことと考えたものらしい、扇を傾け、かすかに眉を寄せている。
「えぇ、まぁ――源冠者の君はかわゆうてあられますので、大宮様もよく御前にお召しになられまして」
 と云う女房は、かの小冠者を思い出してか、やわらかい笑みをその顔に浮かべた。
「藤織部殿まで、そのようなことをおっしゃるとは……」
 成親は、相変わらず眉を寄せ、扇を傾けている。不快感の表れた仕種――それは、重盛も同じことだった。
 老練な女房をも、このように骨抜きにしようとは――源氏の小冠者は、どれほどの容姿の主なのだろう。
「……源冠者殿のお姿、垣間見ること適いませぬか」
 重盛は、そう切り出したていた。
 直截に過ぎる、とは思わぬでもなかったが、こうでもしなければ話が進まないような気がしたからだった。
「本日は、冠者殿は出仕しておられましょう。なれば、御簾の内から一目だけでも、見ておきたいのでございます」
 その、己の敵となるやも知れぬ、小冠者の姿を。
 女房は、暫、沈黙していたが――
「相わかりました」
 やがて、大きくひとつ頷いた。
「他ならぬ右大将様と遠江様のお言葉でございます、この藤織部、お心に添うように致しましょうとも」
 云うや、かの女はついと几帳を繰り、外を歩いていた雑色を呼び止めた。
「そこなもの、源冠者殿を呼んでくりゃれ」
 男は、片膝をついて頭を垂れるや、足早にその場を去っていった。
 ややあって、
「――お呼びとうかがって参りました、藤織部様」
 玉砂利を踏む音とともに、まだ稚い声が響いてきた。
「おお、三郎殿」
 女房の声がやわらかくなる。
 かの女は、勾欄の際まで進みでて、源冠者をさし招いたようだった。
「すみませぬな、何ぞ用の途中ではありませなんだか」
「いえ、さしたるものではございませんでしたので」
 そう云う声は穏やかで、稚いながらもしっかりとしたものを感じさせる。
「……源冠者殿ですぞ」
 成親が、扇の蔭からそっと囁きかけてきた。
 頷きを返して、重盛はそっと、御簾越しに外を覗き見た。
 薄縹の袍をまとった小冠者が、庇の下、階のちかくに跪いている。細い身体、だが、公卿の息子のような脆弱さは感じられぬ。きびきびとした所作の似合う、若枝のようにしなやかな四肢。
「して、御用の向きは」
 そう云って上げられた、その顔。
 くっきりとした瞼と切れ長の眼、とおった鼻梁の下の唇はやや薄いが、薄すぎるほどではない。白い面の中に、それらが絶妙に配されたその顔は、妙なる美貌とは云い得ぬものの、当今や大宮の寵愛も肯なるかな、と思わせるに足るもので。
「……何とな」
 成親も、半ば呆然としているようだった。
「――何とも、艶めいたる小冠者にございますな」
 重盛の囁きに、かすかな頷きが返る。
 左馬頭の子たる小冠者は、予想以上の見目良い姿であったのだ。まだ稚くいとけない、それ故の艶と華。
 細いが弱々しいわけでもない、芽吹いたばかりの若木のようなその風情を、当今も皇后宮も、女房たちまでが愛するのだろうが――それに加えて、この小冠者には、邪気が感じられぬのだ。
 と云って、白痴のごとき純朴さでもありはせぬ。目の前にあるものを、ただそのとおりに信じる心、とでも云うのだろうか――宮中のねじくれ切った付き合いに倦むものにとっては、この素朴なまでの心根が、愛しく、心和むものとして感じられるのかも知れなかった。
「用向きはの、こちらの公達が、そなたを見知りたいと仰せになられたので、な」
 女房はそう云って、重盛たちの方へまなざしをめぐらせてきた。
 ――やられた……!
 おそらく、この藤織部と云う女房は、重盛たちの態度の中に、隠された嫉妬を見てとったに違いない。当今や皇后宮の寵愛を受けたこの小冠者に、重盛や成親が良からぬことを企むのではないか――そのように案じて、それならばと、かれらの顔を、この小冠者に見せておこうと考えたのに違いない。姿さえ見知っておけば、こちらも警戒してそうそうことに及べまいと、そのような配慮であるに。
 成親にちらりとまなざしを向けると、かれも“仕方がない”と云いたげな様子で、小さく吐息してよこした。
 ついと几帳を繰って、縁に出る。
 と、女房がちらりとこちらを見た。
「右大将様、遠江様、こちらが源冠者三郎殿でございます」
 挑むような声――ご丁寧に、こちらの素性がわかるよう、官職までを口にして。
 源氏の小冠者は、こちらに顔を向けるや、まなざしを足許に落し、かるく頭を垂れて、その小さな唇を開いた。
「左馬頭義朝が嫡子、三郎頼朝と申します」
 まだ高いその声は、けれど凛とした言葉を紡ぐ。武家の嫡子に相応しい清しさで。
「頼朝……と云われるか。では、烏帽子親は、水無瀬参議殿でもおありかな」
 ほ……と、吐息のような笑いをこぼし、成親が問う。
 水無瀬参議――藤原信頼が烏帽子親になると云うことは、考えられぬことではなかった。
 いずれも当今の近臣であり、その寵を受けること並びない信頼と、父祖の頃から東国での勢力を危険視されてきた義朝とは、ともに信西入道から疎まれていた。同じ敵を持つふたりの距離が近しくなるのは当然のことで、そうであれば、一方の子の烏帽子親に他方がなると云うことは、不自然とは考えられなかったのだ。
 小冠者は、成親の問いかけに、はっきりと頷いてきた。
「はい。参議様の実名の一文字を戴きまして、父の一文字と合わせ、頼朝と名乗っております」
「――素直な、良い冠者よの。主上が気に入られたと云うも、肯なるかな」
 成親のその言葉に、小冠者ははっと顔を上げ。
 礼を失することに気づいた様子で、また慌てて頭を垂れた。
「……主上には、先だっての内宴の折、ひとたびだけ、過分なお言葉を戴きましたが――ただそれのみのことにて、お気に召したかは、私などには……」
 ゆっくりと、言葉を選ぶ風で、云う。
 なるほど、この小冠者は、賢くもあるのだ。
 成親の言葉に含まれるかすかな毒を聞きとって、このように返してくるとは、なかなか出来ることではないだろう。
 ――だが、まだ知恵が足らぬ。
 そのような言葉のみで、自分たちが納得すると思うのか――そんなことなど、あるはずもないと云うのに。
 しかし、こうなってみると、女房の先の言葉は、まったくの誤算であったと云うより他なかった。
 重盛たちの官職を聞いたこの小冠者は、戻ってから、父なり母なり――母親である、熱田大宮司・季範の女も、確か皇后宮に近侍していたはずだ――に今日のことを伝え、それらのものが何ものであったかを知るだろう。そうして、それはすなわち、左馬頭・義朝に、己が敵の手が嫡男たるこの小冠者に伸びつつあると、知らしめることにもなるだろう。
 それは、如何にも拙いように思われて。
 重盛は、にこりと小冠者に微笑みかけてやった。
「そのように謙虚なところも、主上はお気に召されたのでございましょうな」
 小冠者は、びくりとして、わずかに後ずさるような気色であった。
 その、重盛と小冠者との間に、女房がすいと袖を伸ばしてきた。
「それまでにお願い申し上げます」
 紅を引いた唇の両端が、すいと薄く引き上げられる。
「さ、三郎殿、用向きは終わりました故、お戻りなさいまし」
 ちらりとまなざしを背後にやり、やわらかな声音で云う。
「は、はい」
 小冠者は、いかにもほっとした面持ちで頷いて、また礼をし、
「これにて失礼仕ります」
 断わりの言葉を口にするや、足早にこの場を去っていった。
 成親は、その後ろ姿を見送ると、恨めしげなまなざしを女房に転じた。
「……藤織部殿」
「稚い小冠者を、海千山千の殿方の餌食にしとうはございませぬもの、なぁ」
 目許ばかりでちらりと笑う、その姿の艶なこと。
 年増であるとは云え、年季の入った艶冶な様に、流石の成親が、ほうと吐息をこぼす――重盛などは、云うまでもない。
「餌食などと、外聞の悪いことを……あのように稚い小冠者、取って食ろうたりは致しませぬものを」
 いかにも心外だと云わんばかりの成親の声に、
「さて、いかがでございましょうか」
 藤織部は扇を広げ、それとともにふと顔を逸らした。
「つれないことを」
「右大将様は、お言葉もお上手であられますもの」
 かわされる、密やかな笑み。
「……では、私はこれにて」
 睦言のような囁き合いに、重盛は席を立とうとした。
 と、
「あ、いや、遠江殿、私も参りますぞ」
 成親が慌てて立ち上がった。
「では、藤織部殿、いずれまた」
「いずれ」
 再会を誓う恋仲のものたちのように笑みかわし、成親は、重盛を追い立てるように後宮を出た。
「――よもや、藤織部殿に邪魔立てされようとは思わなんだ」
 外へ出るなり、成親は小さく舌打ちし、独言のようにそう云った。
「……源冠者殿は、大宮様まわりの方々のおぼえもよろしいようにございますな」
「まことに」
「とは云え、未だ七位の小冠者に良からぬことをなしたとなれば、我らの名に傷がつきましょうぞ」
 相手はまだ十二ばかりのほんの小冠者、対する重盛たちは、二十歳もとうに過ぎた大人である。重盛たちが狼藉に及べば、非難はもちろんこちらに向かってくるに決まっている。
 その上、皇后宮まわりのひとびとの不興を買うことにもなる――と云うことは、引いては当今の不興をも買うことになりかねぬ。摂家ゆかりの成親はまだしも、武家で、位も五位と高からぬ重盛などは、ひとたまりもなく潰されてしまうに違いない。
 当今とても、父・清盛との対立は避けたいところだと思いたいが、さりとて、外聞などを考えれば、いたいけな小冠者に狼藉を仕掛けたものなどに、それでも寵愛を向け続けるかどうかは定かではない。もしも当今が源小冠者を取ったなら、それこそ、重盛にとっては身の破滅だ。
「……此度は、諦めると致しましょうか」
 同じようなことを考えたものか、成親が、吐息のように呟くのへ。
 重盛も、胸の底にかすかなざらつきが残るのを感じつつも、頷きを返してみせた。



 だが、そうして一度はおさめたはずの心のざわめきが、また大きくなったのは、年が明けてからのこと。
 上西門院――当今が禅譲して上皇となり、“後白河院”と呼ばれて院政をはじめたのに伴って、皇后宮も院号を宣下され、“上西門院”と呼ばれるようになっていた――の殿上始から戻った父・清盛が、ふと口にした言葉がきっかけだった。
「――おう、そうだそうだ、今宵の席でな、かの左馬頭の嫡子に会うたぞ」
「……頼朝殿ですか」
「そのような名であったかな、ともかくも三郎冠者よ」
 父は、かなり酔っているものか、袍をだらしなく寛げて、ほとんど肩にかけただけのような姿で、脇息によりかかった。
「一の院がご執心と聞き及ぶ源氏の小冠者、あれがな、今宵、儂に酌をしてくれおったわ」
「酌を」
「他にも、幾人かに酌をして貰うたが――左馬頭の小冠者が、一番であったの。女院様も憎からず思し召しのようだ、相好を崩しておいでであったわ」
 ざらり、と、肚の内を逆撫でにされたかのような不快さを覚える。
 父は、重盛の心持ちには気づかぬ様子で、言葉を続けた。
「かの小冠者の母御前は、熱田大宮司殿の姫であろう? なれば都人のうちであるだろうに、鄙の野に咲く花のごとき風情でもあり――かわゆく思されるも肯なるかな、汝も、うかうかとしてはおられぬのではないか?」
 軽くこぼされた笑いが、千の矢よりも鋭く、重盛の胸を射た。
 ぎり、と歯を食いしばり、その情念を表わすことをこらえる。ここで父に八つ当たりしたとて、何になると云うのだ――そう、くり返し己に云い聞かせながら。
「……さようでございますな」
 沈黙が、不自然なほど長くならなかったろうかと案じつつ、軋る歯の間からそう答えを返す。
「実は、もうずいぶんと前に、右大将様とそのようなことをお話しておりまして――父上からもそのようにおおせられるとなれば、この重盛、重々心して、一の院にお仕えして参りましょうぞ」
「今や、儂よりも汝の方が、一の院には近しい故な」
 父の声は、半ば夢の中にあるかのようだった。
「頼んだぞ。我ら平家がこれからも栄えてゆくためには、源氏に後れをとるわけには……」
 と云い終えぬうちに、はや、舟を漕ぐ態である。
「――心しております」
 応えぬ父に、そう返しながら。
 重盛は、強く強く唇を噛んだ。血が滲むほどに、強く。
 父にとってすら、かの小冠者は愛おしいものと見えるのか。息子である己よりも? 女院や一の院にとっても、己はかの小冠者に劣ると、そう云うのか。
 ――そのようなことが……
 そのようなことが許せようか――許せるはずがない。
 袂に手を入れると、あの小裂が指先に触れた。
 何故にか手離せぬ、半色の小裂。
 この色のように、“端物”よと云われてなるものか。己は太宰大弐・平清盛が嫡子なのだ。ゆくゆくは、武家の棟梁として、日本国中のつわものたちの頂点に立つべき人間なのだ。
 その己が、このような恥辱を――許せようか、許せるはずがない。
 重盛の胸の内で、昏い焔がめらりと揺れた。
 かの小冠者を誅せねばならぬ。この重盛の矜持を傷つけた、そのことを、身を持って償わせねば。
 数日のうちに、成親に声をかけ、重盛は、かの小冠者の宿直の日を調べ出した。同輩に頼んで、宿直の日をずらしてもらい、小冠者のそれと同じにする。もちろん、成親も同様に。
 そうして待ち侘びたその夜に。
 同輩たちの集まりにも出で、重盛は、成親とふたり、内裏の一角にひっそりと忍んでいた。
 あれこれ聞いて回ったところでは、源氏の小冠者は、宿直の折には、今の時分、必ずこの一角を通って、己に割り当てられた局に戻るのだと云う。
 やるのならば、この時しかなかった。
「――間違いありませぬのか」
 成親が云うのへ、
「間違いございませぬ」
 強く頷く。
 実際、先に小冠者が宿直した日にも、このあたりに潜んで確かめてみたのだ。かの小冠者は、間違いなくここを通る。
 やがて、密やかな衣擦れの音がして、小さな影が、縁を渡ってやってきた。
 見覚えのある縹の袍が、おぼろな月光の中にほのかに浮かび上がる。
 あれだ、と思った時には、己の腕が、その影の袖を捉え。
 声を発する間も与えずに、小冠者の身体を御簾の内へと引きこんだ。


† † † † †


鎌倉話(っつーか源平話?)、続き。
まだ畳むほど危険なことはない……


えーと、うん、今回のあれこれは、大分過去の遺産(笑)のお蔭で書けたかも……
やー、ほぼ毎月同人誌出してた某陰陽道系少女漫画のお蔭です、マジ。“勾欄”とか“几帳”とか“御簾”とか、普通に言葉がすっと出てくるって、楽チンだ。まァ、あの当時の知識はやっぱ穴だらけなので(昔の話とか読み返すと、マジ何もわかってねェって思います……/汗)、『有職故実』と『官職要解』は必携ですが。っつーか、『有職故実』とかって、院政期の七位の官人の袍の色とか、そもそも出仕時の装束とか、冠のかたちとか(立烏帽子は五位以上らしいです――ってことは風折烏帽子? 出仕の時も?)、何も書いてないんですけど! そりゃあ、『源氏』読むのには殿上人以外のあれこれは必要ないかもしれないけど! でも!
んでもって、何度読んでも中宮職の仕事がわからん、と思ってたら、夜の闇のあちら側でお会いしたT盛さんに、「公家の仕事は噂話と悪だくみ」とか云う話を聞き。「それって仕事か!?」とか思うのですが、えーと、話を書く上では参考になるんだかならないんだか、っつーか、仕事してる様をみっちり書かなくってもいいってことしかわかりません。
あ、噂話と悪だくみが仕事なら、この話で重盛と成親のやってることは、正しい“公家のお仕事”なのか! ……それもどうか。


しかし、どうも幼少期の佐殿が超↑可愛かった、ってのは、否定材料がちっとも出てきません。
今回ちらっと書いた“上西門院の殿上始で、佐殿が清盛にお酌”ってのは、実はちらっと行ったサイト様で見かけたので使っちゃったネタなのですが(メインの話じゃないからお許しを)。えーと、やっぱ酌させるってのは、可愛いからなんだよな? と思うと、何ともかんとも。
これが20年後には、「頼朝の首を我が墓前に供えよ」とか云う話になっちゃうから、時の流れってのは恐ろしいんですがね。
しかし、多分この時期って、まだ佐殿、権少進のまんまのはずだよね……
っつーか、忘れてました、保元三年二月段階の平重盛の官職は、“遠江守”じゃなくて“左衛門佐”でした、はっはー。“遠江守”になったのは、作中の“当今”が“後白河院”になったあたり。自分でちゃんとメモもとってたのに、すっかり忘れてやがる。どうにもなりません。
まァ、“左衛門佐”だと、“右大将”成親とあんまなぁなぁで話せないっぽい感じがするので、“遠江守”でいいや、とは思いましたが。うん。
ちなみに、今後、重盛は“伊予守”(平治元年十二月)→“左馬頭”(平治二年一月)と云う風に変わっていきます。これは一応ちゃんと書く……予定。多分。


あ、ランキング、ぽちぽちと推して戴いてます、ありがとうございます。
目指せ天辺! とか云いつつ、まだまだ辺境ですが――まァ更新遅いしね。
ぼちぼち見てやって下さい。


ってことで、この項終了。
次はルネサンス、かな? 早くミラノに帰りたい……