鎌倉散歩行 その1

ひねりも何もないタイトルですが、えぇと、行ってきました鎌倉へ。一泊二日の散歩でしたが、仕事上がり後なので、散歩枠で。なのに“その1”なのは、1日が結構長いからです……
本作るんだったんじゃねェのか、とか云わない! 気分転換+鈍った身体をアレコレするのに必要だったんですよ!


† † † † †


半休で鎌倉へ。実は、こないだのGWまっただ中にも独りで行ってきたのですが、まァそれはそれ、これはこれさァ。
一日は雑誌の発売が多い日なので、品出しだけして、昼飯なしでとっとと上がります。
沖田番とは2時に新宿待ち合わせだったのですが、何だかんだで2時前に合流、予定より1本早い湘南新宿ラインで大船まで。そこから藤沢行き? に乗って、鎌倉駅で下車。ほぼ3時――ホントに近くなったよねェ。


今回は鎌倉に泊まる! と云うことで、ガイドで見て気になった素泊まりの宿、ホテル・ニューカマクラへ。ここは古い洋館で、芥川龍之介岡本かの子がここで会ったこともあるのだそうな――駅から見える、あそこです。駅からは道がちょいわかり辛いけど、とにかく駅近、そして安い!
チェックインが15:00〜18:00、チェックアウトは10:00、だったはず――結構時間が限られてるのは、受付が、ホテルの目の前の駐車場の受付と一緒だからです。
前金で、二人で¥11,000-で、払うと鍵を渡され、部屋だけ案内してもらえます。私どもは和室希望(理由は後述)だったのですが、案内された部屋はすごく可愛かった……♥ 洋間の床をちょっと高く上げて、そこに畳(半畳の正方形のやつです)を敷いてあるのですが、それも可愛く。夢二の版画なんかがかけてあったりして、大正浪漫っぽい風情がたっぷり。
バス・トイレは共有なのですが、バスルームは二つある上に区画が客室と離れているので、24時間いつ入っても他の宿泊客の邪魔にはならなそうなカンジ。
ちなみに、我々が行った時にはまだほとんど人が入ってなくて、他の部屋も覗けた(人が入ってない部屋は、ドアが開け放してある)のですが。洋間も可愛かった……♥ 部屋によって風情が違い、隣りの部屋は長野とか北海道とかのペンション風、向こうの部屋は古い映画に出てきそうなクラシカルなインテリア。可愛い。


とりあえず荷物を置いて、さて初日は江ノ島
実は私、江ノ島は行ったことがなく。
沖田番は小さいころに行ったそうなのですが、もう記憶が曖昧なのだとか。
江ノ電に乗って江ノ島、の前に、駅の売店鎌倉ハムの切り落としを。昼飯が中途半端だった上、おやつとかも食べてないので、江ノ島で食べようと云う肚。
試食をお代わりする沖田番に、にこやかに応対してくれるおばちゃん――ありがたい、けど恥かしいぞ、沖田番!
江ノ電はすっごい久しぶり――いつ以来だ? もっと前に沖田番と来た時(数年前)は、レンタサイクルでまわったので、江ノ電は乗らなかったしなァ。
江ノ島までは25分、最寄駅から池袋まで、あるいは通勤利用駅と新宿まで、とほぼ同じか。しかし、スピードはこっちの方がすごくゆっくり――10kmを3〜40分だから、自転車と同じかちょっと早いくらい? ロードバイクとかの方が早いくらいのスピード。
買い物帰りのおばちゃんとか、通学の学生さんや幼稚園児、もちろん観光客もぞろぞろと。ううん、賑やかだ。


で、ついたら駅前の道を、南へてくてく。橋を渡って江ノ島へ。
参道は、何か地方の大きい神社仏閣の門前みたいな――ほら、お土産屋がずらっと並んでて、でも若干静かなんだけど、何かざわついてるような。
海苔とかしらすとかちりめんとか、海産物が並んでいる――魚の干物とか。


「干物……(じゅるり)」
「今日は持って帰れねェぞ? 宿で食うなら、ちりめんとかにしとけ?」
「あさり……旨そうですねェ(じゅるる)」
「オイ!!!」


お宿は食べ物持ち込みOKだけど、調理施設はないので、生ものは駄目なんだって―の!


残念がる沖田番を引きずって、江島神社へ。まずは辺津宮
ここには二体の弁天像があり、一体は例の文覚上人が奉納したものなのだとか。もう一体も、奉納した人は不明だけど、同じくらい古いものらしい。
エスカーとか云う、飯盛山のコンベアー的なものがあるようなのですが、何しろ沖田番の散歩も兼ねているので、歩きでGO。
うむ、小さい島だが、結構傾斜は急だ――いや、小さいから急なのか。
でもって、辺津宮。お宮の前に茅の輪があり、皆さん図を見ながらくぐっている。私と沖田番もくぐる――左回りと右回りと二回くぐってお参り。でもって、弁天像の納めてあるお堂へ――拝観料は¥500-。
もうじき四時なので、巫女さんが店じまい(?)をしている――そこでお金を払い、お堂の中へ。
えーと、文覚上人が奉納したと云う弁天像は、わりときりっとしたお顔の像でした。オーソドックスな造形で、結いあげた髪にティアラっぽいもの(瓔珞?)をつけた六臂(だっけ?)の弁天様。結構貫禄のあるお姿。
もう一つの方は、少女の姿の半跏像なのですが、これが――まっぱなのでした。座布団に坐ってるカンジだったので見えませんでしたが、この弁天様にはナニもあるらしい……って司馬遼が書いてた。ちょっと前に胡粉を塗り直したとかで、白くてきれいなんだけど、経年感があまりなく、それがちょっと残念でした。
ともかくお参りして、お堂を出る。
イラストを描いてる元職場の同僚・ばーにゃ向けに、お守りをGET――しかし、弁天様って、音曲系の芸能がメインだから、どうなのか……まァ、神さまは心が広いから大丈夫だと思いたい!


でもって、次は中津宮
江ノ島も猫が多く(やっぱ、海の傍で魚が獲れるから?)、ちらちらとその姿を見ながら歩いていく。
って云うか、途中の花壇のところで、小さな蛇を甚振ってる猫を発見――君の方が大きくて強いんだし、食うわけじゃないなら見逃してやれよ……とか思いつつ、ちょっと見てました。沖田番も爬虫類好きなので、蛇を応援してた模様。まァ、あれはちょっとヒドイもんなァ(デカいのだったら、猫を応援したかもだけど)。
途中の道は、ヨットハーバーを見下ろす、中々良い景色。でもって、中津宮もさらっとお参り、最後の奥津宮へ。
何か途中に植物園的なものがあったりなんだり、中津宮〜奥津宮間はちょっと俗っぽいカンジ。しかしそれを抜けると、お茶屋がちょこちょこと立ってて、古い霊場なんだなァと。まァ、伏見稲荷の御山に較べると、全然俗っぽいんだけどね。
で、奥津宮。傍に佐殿が奉納したとか云う鳥居(復元済み?)があったりとか。とは云え、もうとっくに5時をまわってるので、人もまばらな感じ。さっとお参りして、次は稚児ヶ淵。


途中のお茶屋で、ふかしてた饅頭(白黒あって、漉し餡とつぶ餡なのです)を戴き、階段を下りて稚児ヶ淵へ。
の前に、芭蕉の句碑とかを見つける。沖田番、芭蕉萌え(?)の知人に写メるのだとか云って、写真をぱちり。萌え、萌えか……
えーと、稚児ヶ淵は名前のとおり、坊主と恋に落ちたお稚児が、添い遂げられないのを悲しんでその身を沈めたと云うところでございます。“淵”っても海辺だけどね。
稚児ヶ淵の先に岩屋があるのですが、見学は5時までとかで、もう閉まってて無理。
「大したもんじゃあねェですよ」と沖田番が云うので、まァいいかと思いながら海辺に下りる。確かに、外からでも切り立った岩の様子なんかはわかるので、これはこれでいいのかも。
岩場には結構釣り人が――もちろんカップルもちらほらと。
“鳶に注意!”とか云う立て看があるので、びくびくしながらハムの切り落としを食べる、が、鳶はいるけど、特に下りては来ないカンジ。
それよりもアヤシイのが海模様。芭蕉の句碑あたりから見ていた時には、波頭がやや白い程度の波だったのですが、ハムを食べだしたあたりから、どんどん岩場に波がぶつかってくる――そろそろ潮が満ちてくる時刻だとは云いますが、それにしても。


「何かこう、攫っていかれそうな波ですよねェ」
「……由比ヶ浜より男性的だな」
「まァ、江ノ島は弁天様の島でしょう。ってこたァ、そのまわりの海が、弁天様の“男”ってことになりますからねェ」
「そう云やァ、ギリシア神話なんかでも、海の神ってなァ男だよなァ」


うむ。
しかし、ホントに波が高くなってきたぞ。ずいぶん奥――足許くらい――まで、海水が流れこんでくる。
しかも、波音も大きくなってきてる――荒れてるの?


「……そろそろ暮れてきましたし、撤収しましょうかねェ」
「そうだな」


ってことで、稚児ヶ淵を後に。


帰りは上りできつい……階段が結構長いのよ。
奥津宮を経て、またお茶屋で饅頭を。今度はさっきと白黒逆。
でもって、お茶屋の前から出てる細めの道に。こっちが帰り道らしい。この先は居住区みたいな感じ&お茶屋に荷物を届ける車の入る道、らしく、階段ではなくアスファルトの道路です。ちょっと風情がない。
まァたらたらと行って、途中から辺津宮方面へ――神社の入口近くに出るので、そこから土産物街を通って、江ノ電方向へ。
途中のぬれおかき屋で、串おかき(としか云いようがない)を食べようと思ったら、時間が遅くて終了してた……
当初いこうと思ってたカフェ(安慈無とカフェーマル)どっちにも行かないまま、江ノ電に乗って鎌倉に。


江ノ電を降り、一旦お宿に戻ろうとしたところで、駅前のソーセージ屋にひっかかる。ここも試食させてくれる――結構うまうま。
サラミとかボローニャソーセージとか、腸に詰まってないソーセージとかあったのですが、美味しかったちょっと酸味のあるサラミが気に入り、それをGET。2本入りで¥1,200-くらい?
それをお宿の冷蔵庫にしまい、さて晩飯。
肉の食いたい沖田番のリクで、焼肉屋を探すも、若宮大路には見当たらない。や、あるんだけど、若干値段がどうよと云う。


「×角、牛×で良いんですけどねェ!」
「ねェぞ、×角」
「駅前とかどうですかねェ」


ってことで、かなり南下してたのですが、駅前に逆戻り。
でもって、何故か牛×を探す前に東急ストアーに。
ここで、先刻のサラミを切るナイフ(いつもの関のミニ・フォールディングは、今回置いてきてたの……)と、日本酒二本とカマンベール、クラッカーをGET。
重くなった荷物を抱えて出ると、目の前に見慣れた看板が。
さくっと入り、酒も飲まずに肉と冷麺、スープを戴く。1時間半ほどで撤収。
その後、明日の昼飯候補を探して、小町通りから線路沿いまでをふらふらと。いいお店はいくつかあった(割とガイドに載ってたとこだった……)のですが、結構それなりのお値段っぽく、明日考えることにして、お宿へ。北側の踏切を越えて行くとわかりやすいな……


ざっと風呂に入って(あ、その前にコンビニで化粧水とか乳液とかクレンジングとか買ったんだ――沖田番が)、その後は整体タイム。ええ、これのために和室希望だったのですよ。
連日の製本疲れで背中が痛い私のために、小一時間背中を揉まされる沖田番。


「30分は俺の愛ってことで」


……じゃあ残りの30分は……?
ともかくも、久しぶりにすっきり致しました。これで、今後の製本も頑張れるわ♥


整体が終わったら、酒呑みです。
日本酒に、先刻のサラミとカマンベール、クラッカーも合わせて戴く。うまうま。
このサラミは本当に美味しい。あんまりこればっかりだと飽きるかもだけど、カマンベールを間に挟みながらだと、それもなくてGood。普通のサラミより全然良いよ! このお店(名前失念――西口下りてすぐ)、軽井沢にも店舗があるそうな。行かれましたら覗いてみるといいかも。


で、酒が入ってだらだらして、駅の明かりも消えた頃に、ようやっと就寝。


翌日に続きます〜。