2007-01-01から1年間の記事一覧
お蝦夷・箱館、追っかけ紀行、3日目。 暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ〜。
お蝦夷・箱館、追っかけ紀行、2日目。 暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ〜。
ってことで、行って参りました、お蝦夷・箱館三泊四日! 暇と心の余裕のある方は、続きをどうぞ〜。
鉄之助が連れて行かれたのは、一本木関門の向こう、外国人居留地の波止場に係留された、英国船だった。 「君の部屋はここだ――途中寄港する土地では、官軍の査察が入るかも知れん。君は、この部屋から出ないようにな」 松木と云う名の通詞は云って、かれを隅…
「そう云や、土方さん」 「何でェ」 「あんた前に、自分は織田の殿様の生まれ変わりだとか云ってましたよねェ」 「あァ、そう云やァ云ったっけなァ」 「あん時も訊きましたけど、何で伊達の殿様じゃあいけねェんですよ? 伊達の殿様の方が、鎧兜がかっこいい…
八月二十日、二本松城奪回に向かった幕軍が敗退したとの報があり、進攻してくる薩長軍を食い止めるため、新撰組などの守備隊が、母成峠に集結した。 歳三は、福良から母成峠の第三台場――会津と旧幕同盟軍の本部の置かれた――に移ってきていた。 ここには、会…
戦いの風は、速やかに蝦夷地に吹き寄せてきた。 四月六日、英国の商船が寄港し、青森に敵艦隊の集結しつつあること、箱館在住の異国人は、二十四時間以内に家財を取りまとめ、青森へ避難するように、との通告をしてきた。 ――いよいよ決戦のときか。 鉄之助た…
「土方さん」 「……」 「何だってェ、そんな渋い顔してやがるんで?」 「……味が」 「は?」 「思ってたのと違ってた」 「何の話ですよ、ってェ、それァかるめ焼ですねェ」 「あァ、こないだ高幡のお不動に行ったときに、菓子屋で買ってきたんだが――」 「そう…
歳三が戦線に復帰したのは、七月六日、福良村でのことだった。 とは云え、ここでの歳三は、あくまでも幕軍本隊の参謀的な立場に留まり、新撰組の統括は、相変わらず斉藤一が行っていた。 「今の新撰組の隊長は俺だ」 斉藤は、いつになく強い口調でそう云った…
立て続けですが、行ってきました、日野本陣。今回は一人旅(?)。 えーと、モノレールの甲州街道駅で下車後、てくてく歩いて日野本陣へ。 行き着いたら、ガイドさんが食事休憩中とのことで、ちょこっと内部を見学。私のほかにはひとり見学者がいただけ――まァ…
玉置良蔵が死んだのは、鉄之助が療養所を訪れた後、ほんの一刻もしないうちであったと云う。看護のものが声をかけようとして、息のないのに気づいたのだと。 悶絶したと云うでも、大喀血をしたと云うでもない、ごく静かな死顔だった。 ――敵方の甲鉄艦を奪取…
「……総司」 「はい?」 「何でェ、そりゃあ」 「懐かしいでしょう、昔の隊服でさァ」 「それァわかってる。そんなもん、どっから出てきたんだってェ訊いてるんじゃねェか」 「や、こないだ店屋でみつけたんで。“新撰組だんだら羽織”って、ちゃんと書いてあり…
つーわけで、行ってきました、高幡不動。はい、思いっきりあどまちに乗せられてます(笑)。 と云うのも、今回の高幡不動行きは、そもそも26日夜、山南役とTellしていた時に、「そう云や、今日のあどまち……」と云う話題になり、そこで本日、五重塔の中が拝観…
使者は、はじめに清水屋を訪ねていったのだと語った。 「新撰組の山口隊長殿にお聞きしたところ、土方殿は清水屋に逗留しておいでと伺いましたので――」 それで、こんなにも知らせが遅れてしまったのだと、使者は汗を拭いながら云い訳した。 山口、とは、斉藤…
ふたつきの間は、平穏無事に過ぎていった。 箱館市中がいつも“平穏”であったわけでは、もちろんない。榎本総督の命によって発行された新貨が贋金として敬遠され、その使用を巡って商人たちとの間で揉めごとが起きたり、その使用を拒んだものを入牢させたりで…
「土方さん」 「何でェ」 「こないだ俺ァ、中島さんとやらにお会いしましたぜ」 「――どの中島さんだ」 「割と細身の、いい年のおっさんで、男くせェ気性のおひとでさァ」 「……(おっさんってェ……)それァもしや、中島三郎助さんじゃあねェのか」 「あァ、そん…
閏四月になってすぐに、斉藤一が清水屋へ顔を出してきた。 「お久しぶりです」 斉藤は端座して、うっそりと頭を下げてきた。 「怪我をされたとお聞きしたが、お加減はいかがですか」 「おぅ、良順先生に診て戴いたんでな、そう悪かァねェぜ」 もっとも、再び…
明治二年の年があけた。 鉄之助は、副長付の小姓として、日々を忙しく過ごしていた。 かつては、小姓仲間も大勢いたのだが、会津よりこの方、大半は新撰組から離脱し、またあるものは通常の隊士として隊務にあてるようになり、人数は激減していた。 それでも…
「……土方さん」 「何でェ」 「あんた、忙しいとか云ってたわりにゃあ、随分暇そうにしてるじゃねェですかい」 「いいや、暇じゃねぇぞ。実は、会津候に出さなきゃならねェ書類が、山のように溜まってる」 「……で、何でそうやってごろごろしてるんで?」 「――…
望月光蔵と云う男は、四〇も半ばほどの、中肉中背の男だった。きちんと整えられた髷と月代、黒紋付と仙台平の袴を身につけた、いかにも幕臣、しかも文官に相応しい身なりである。 そして、文官に相応しく、荒事には向かぬ性を思わせる、穏やかな面差しをして…
と云うわけで、行ってきました、日野半日ツアー。 つぅか、タイトルに偽り有。こんなもんで“おっかけ”云うのはなしだろう。 えーと、沖田番と最寄(?)駅で待ち合わせ、今回はそこから国分寺でJRに乗り換えて、中央線で日野まで。 駅を下りると、ちらほらと同…
鉄之助たちが箱館・五稜郭に帰還したのは、松前を出立して三日の後、十二月十五日のことだった。 折りしも、この日は、幕軍の蝦夷全島平定を祝う祝賀の宴が催されており、副長の凱旋は、それに花を添えるものだったのだ。 また、この日には、こののち蝦夷を…
「そうそう、土方さん」 「……何でェ」 「この間、山崎さんに会いましたぜ。源さんとこでですけど」 「……源さんとこァ、溜まり場んなってるのかよ。で、山崎は相変わらずだったか」 「相変わらずでさァ。源さんと碁打ちしてましたぜ」 「好きだよなァ、あのふ…
四月二十九日、会津若松に入った歳三たち一行は、城下の清水屋という宿に投宿することになった。 と云うのは、この宿には、幕府御典医であり、かねてより新撰組とも懇意である松本良順が、江戸を抜けて投宿しているということであったからだ。 宿に落ち着い…
ここのところ、新撰組がらみの本(小説、漫画など)をいろいろ買ったので、これまでに手に入れたもの全般の感想など書いてみる。前にちょこちょこ書いてた感想の総まとめ的な。 まぁ、主観ばりばり+ネタバレありですので、お厭な方はスルーでどうぞ。 今回は…
松前攻略軍は、城下で暫休陣していたが、兵の疲れがややとれたと見たところ――十一月十日になって、衝鋒隊、額兵隊を先鋒として松前城を出立し、江差を目指して行軍を開始した。 同じころ、五稜郭からも一聯隊が、松岡四郎次郎を隊長として江差を目指していた…
「そう云や、土方さん」 「何でェ」 「こないだ俺、大鳥さんに会いましたぜ」 「……ちょっと待て」 「何ですよ?」 「何でおめェに、大鳥さんがわかるってェんだ。おめェ、会ったことなかったろう」 「や、俺ァ知らなかったんですがね、一緒だった島田さんが…
負傷した歳三は、宇都宮敗走の翌日昼、島田魁などわずかな人数とともに今市を発った。やはり負傷した秋月登之助も、幾人かの伝習隊士とともに同道した。 二十六日には、会津領内の田島へ入る。ここは、秋月の父親が代官を務める陣屋があり、かれを実家で養生…
十一月一日夜、知内に宿陣中の松前攻略軍を、松前藩兵が襲撃してきた。 鉄之助たちはまだ知らなかったのだが、それは、蟠龍が松前城を砲撃したことへの報復であったのだ。 松前藩兵たちは、民家に火を放ち、こちらの姿を認めるや、銃を撃ってきたが、これに…
「土方さん、こないだ野村さんに会いましたぜ」 「野村? 野村ってなァ、野村利三郎か?」 「そうでさァ。相変わらずうるさくしてやがるんで、ちょっと撫でてやりましたぜ(爽笑)」 「“撫でて”って、おめェ……」 「斬りつけたりァしませんでしたよ。ただちょっ…